▼新生・細田守の第1弾。映画「おおかみこどもの雨と雪」
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07月01日発売■Blu-ray:「細田守監督 トリロジー Blu-ray BOX 2006-2012」
「時をかける少女」「サマーウォーズ」の2作連続ヒットにより
人気アニメ監督の座を確固たるものにした細田守監督の最新作が
7月21日より公開される「おおかみこどもの雨と雪」である。
【YouTube】予告編:バージョン1
監督の生まれ故郷である富山県・劔岳の美しい風景の中で
子育てに奮闘する若き母親と、母の愛情を全身に受けながら
すくすくと成長してゆく二人の子どもの姿を描いた作品。
本作のために「スタジオ地図」を立ち上げた細田監督が題材に選んだのが、
前2作の流れを汲む恋愛ドラマではなく、母子モノだった、というところに
監督の並々ならぬ決意を感じる。
マーケティング重視の作りから脱却し、
自前のスタジオで全てを賄う労力もリスクも全て引き受ける覚悟で挑んだ本作は
まさに「新生・細田守の第1弾」と呼ぶに相応しい力作だ。
【YouTube】予告編:バージョン2
キャラクターデザインは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の貞本義行。
脚本は細田版「時をかける少女」から「八日目の蝉」まで幅広く手掛ける奥寺佐渡子。
作画監督は「デジモンアドベンチャー」「虹色ほたる」の山下高明。
美術監督は「魔女の宅急便 」「ももへの手紙」の大野広司。
ひときわ目を引くのが衣装と音楽で、「モテキ」「苦役列車」など、
これまで実写映画で活躍してきた伊賀大介がスタイリストに、
PVやCMで活躍し、Newsweekの2009年版では
「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれた高木正勝が音楽に抜擢されている。
主題歌は細田監督の作詞、高木氏の作曲による「おかあさんの唄」。
こちらの歌唱はアン・サリーが担当している。
声優陣は、主人公・花に宮崎あおい。
狼男の彼には大沢たかお。
幼年期の雪には「きな子」の大野百花。
少女時代の雪には「東京オアシス」で映画デビューした黒木華。
幼年期の雨には加部亜門。少年時代の雨には西井幸人。
その他には、林原めぐみ、染谷将太、谷村美月、麻生久美子、菅原文太らが出演。
麻生久美子は伊賀大介の妻なので、夫婦での参加となる。
【YouTube】予告編:バージョン3
狼人間の男と、極普通な女の種族を超えた恋愛映画。
序盤の20分は「マンガやアニメでよくある設定の映画だな」ぐらいにしか
思っていなかったのだが、父親が急死し、幼い二人の子どもを抱えて
田舎へと移り住んできてからが、この映画の本番である。
何も知らない女子大生が、運命の出会いをして恋に落ち
母親の自覚が芽生える前に二人の子(雨と雪)を授かる。
狼と人間のハーフということもあり、
必死で本を読み漁っても追いつかないほどトラブルが頻発するが
それでも凹むことなく、子ども達にとって誰よりも頼れる存在として笑顔を絶やさない。
子どもにとって母親とは、初めて出会うヒーローなのだ。
女手ひとつで子育てする難しさ、田舎町が直面している過疎問題、
地域住民とのコミュニケーション、親の手を離れ自立してゆく子ども達と、
子に追い越される親の、嬉しいような寂しいような気持ち。
欲張り過ぎるほどのテーマをいくつも織り込みながら
カレンダーをめくるように13年が過ぎてゆく。
背中に雨をおぶり、雪の手を引いていた花も
気がつけば大人の女性になり、おてんばだった雪は初恋を経験して女性に、
泣き虫だった雨は「先生」との出会いを経て大人の男(雄)へと、
三人三様の人生が北アルプスの四季の移り変わりの中で描かれる。
物語の軸はあくまでも花だが、雪と雨の成長をバランス良く配分することで
物語がより一層厚みを増している。
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07月01日発売■Blu-ray:「細田守監督 トリロジー Blu-ray BOX 2006-2012」
「時をかける少女」や「サマーウォーズ」でも見られた
設定の甘さは、残念ながら今作でも見受けられる。
早くに親を亡くした花が、東京でひとり暮らし続けながら
自力で大学に通うからには、将来に対して明確な目標があったはずだが
彼との出会いであっさり辞めてしまうのは何故なのか。
狼人間である彼の生い立ちや生態も今ひとつはっきりしないし、
彼の遺した貯蓄など大した金額ではないはずなのに
食べ盛りの子ども二人を抱えた花が経済的に追い詰められる様子もない。
動物病院と小児科のどちらを受診するかで迷って結局止めるシーンがあるが
学校に通わせるなら健康診断はあったろう。どうやって素性を隠し続けたのか。
原作を読めばその辺にも言及しているのかも知れないが、
少なくとも映画だけで言えば言葉足らずの感は否めず
花が行き当たりばったりの人生を送っているように見えてしまう人もいるだろう。
狼人間との恋を通して描かれるのは、普遍的な母子の物語。
全ての親子が経験する、子の親離れと親の子離れを
これほど上手くアニメ化した作品はかつて無かったのではないか。
今年は「ももへの手紙」や「虹色ほたる」といった
派手さよりも実直さを重視した職人気質の作品が多数公開されているが、
本作はメジャー作品らしい華やかさを保ちながら
先の2作を上回る素晴らしい仕上がり。
「おまえうまそうだな」「河童のクゥと夏休み」
「平成狸合戦ぽんぽこ」などがお好みならば文句なしに楽しめるはず。
親子招待のファミリー試写を行っていたりと
「時をかける少女」や「サマーウォーズ」のような
いわゆるジュブナイル系の作品とは異なる層をターゲットにしているので
前2作の熱烈なファンの目にどう映るのか、公開後の反応が楽しみな作品だ。
それにしても、大野百花の芝居が実に良い。
彼女の屈託のない笑い声があればこそ、花は決してめげなかったのだろう。
それほどに希望を感じる声だった。
映画「おおかみこどもの雨と雪」は7月21日より公開。
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06月22日発売■BOOK:「おおかみこどもの雨と雪 原作小説」
07月10日発売■BOOK:「細田守ぴあ」
07月10日発売■BOOK:「角川アニメ絵本 おおかみこどもの雨と雪」
07月13日発売■BOOK:「キネマ旬報増刊「おおかみこどもの雨と雪」大特集」
07月14日発売■COMIC:「おおかみこどもの雨と雪(1)」
07月20日発売■BOOK:「アニメスタイル001(特別付録『おおかみこどもの雨と雪』設定資料集)」
07月20日発売■BOOK:「SWITCH Vol.30 No.8 特集:細田守」
07月21日発売■BOOK:「おおかみこどもの雨と雪 オフィシャルブック 花のように」
07月21日発売■BOOK:「おおかみこどもの雨と雪 絵コンテ 細田守」
原作小説は文庫版が発売中。
絵コンテ集やオフィシャルブックだけでなく
映画誌での特集や「ぴあ」も予定されるなど
公開に向けて広範囲での露出が予定されている。
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07月11日発売■CD:「おおかみこどもの雨と雪 OST / 高木正勝」
07月11日発売■CD:「おかあさんの唄(おおかみこどもの雨と雪 主題歌)/ アン・サリー」
サントラは欲しくなること請け合い。
新海誠監督の天門、故・今敏監督の平沢進のような名コンビとして
定着していただけると嬉しいのだが。
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07月11日発売■Blu-ray:「時をかける少女 期間数量限定生産版」
07月11日発売■DVD:「サマーウォーズ 期間限定スペシャルプライス版」
発売中■Blu-ray:「サマーウォーズ スタンダード・エディション」
細田作品が期間限定生産で価格を引き下げて発売。
「サマーウォーズ」は何故かDVD版のみ。
![新世紀エヴァンゲリオン(13)プレミアム限定版](https://stat.ameba.jp/user_images/20120503/02/sinobi/96/30/j/o0400057011950178347.jpg?caw=800)
11月02日発売■COMIC:「新世紀エヴァンゲリオン(13)プレミアム限定版」
ファン待望の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の公開日は11月17日。
夏「おおかみこども」、冬「ヱヴァQ」と2大監督の作品が同じ年に楽しめるのは嬉しい。
なお、コミックス最新巻の「プレミアム限定版」は
いよいよ7月9日でメーカーの受注受け付けが締め切りとなる。
「Q」公開に合わせて大規模な連動プロモーション展開されるはずなので
購入予定の方は予約をお勧め。
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タイトル:おおかみこどもの雨と雪
配給:東宝
公開日:2012年7月21日
監督:細田守
出演者:宮崎あおい、大沢たかお、黒木華、他
公式サイト:http://www.gyakutensaiban-movie.com/
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