70年代特撮ヒーロー魂が燃え上がる!映画「電人ザボーガー」 | 忍之閻魔帳

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【Blu-ray / ゲーム / 限定コミック】発売日リスト(10月09日更新



映画 井口昇 電人ザボーガー 映画 板尾創路
(C)2011「電人ザボーガー」フィルム・パートナーズ
03月28日発売■Blu-ray:「電人ザボーガー スペシャルエディション」
03月28日発売■Blu-ray:「電人ザボーガー スタンダードエディション」

リアルタイムにハマッたロボット特撮モノと言えば

「人造人間キカイダー」1972年7月~1973年5月
「ロボット刑事」1973年4月~同9月
「スーパーロボット レッドバロン」1973年7月~1974年3月
「電人ザボーガー」1974年4月~1975年6月
「宇宙鉄人キョーダイン」1976年4月~1977年3月
「大鉄人17」 1977年3月~同11月

このあたりか。
さすがに放送時期までは覚えていないので、一応Wikiで調べた。
ロボットで括ってもこれだけあるので、怪獣モノやヒロインモノを含めると
70年代がいかに特撮にとって華やかな時代だったかが良く分かる。

「片腕マシンガール」「ロボゲイシャ」「富江アンリミテッド」と
カルトな話題作を次々に発表している井口昇監督が目をつけたのが
特撮モノの中では比較的知名度の低い(であろう)「電人ザボーガー」。
1974年から約1年に渡って放送されたTV版から
監督が特に思い入れの強いロボットとエピソードを抽出し
ほんのりとお色気を加えた作りは、意外や意外とヒーローモノの王道であった。

主人公の大門豊と、彼の相棒であるザボーガーの活躍を
青年期と熟年期の二部構成にし、前半はTV版のリメイク中心に
後半は大門の25年後の姿を描いている。
青年期の大門を演じるのは「炎神戦隊ゴーオンジャー」の古原靖久、
熟年期の大門を演じるのは「空気人形」「さや侍」の板尾創路。
共演は「テケテケ」「シーサード・モーテル」の山崎真実、
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」で根暗な妹を演じていた佐津川愛美。
竹中直人、柄本明といった大御所が脇を押さえている他、
TV版で中野刑事を演じていたきくち英一もカメオ出演している。



「デビルマン」あたりに端を発する、名作の復刻や実写化は
そのまま惨殺や凌辱の歴史と言い換えても問題もないほど酷いものだったが
さすがは井口監督、遥か昔、留守番がてらに放り込まれた劇場で
「東映まんがまつり」を観ていた頃にタイムスリップしてしまった。

前半では、何かにつけハイテンションな芝居を見せる大門や、空手好きな設定、
秋月が大門を呼ぶ時のイントネーション、秋月のTシャツの柄に至るまで、
オリジナル版を徹底的に研究し「ザボーガー」が放映されていた
時代の空気をそっくりそのまま再現。
ブルガンダーの造形や、必殺技の呼び間違いを意図的に放り込んだりと
観客の大半が気付かないであろう些細なところにまでこだわった作りは最早職人の域。

それでいて、(山崎真実の奮闘があればこそだが)ミスボーグの色っぽさが増していたり
オリジナル版のラガーズ兄弟を三姉妹(ミスラガーズ)に変更したりと
井口テイストもちゃんと盛り込んでいるあたりが抜け目ない。
エロとグロで押しまくる直接的な表現を避ける代わりに、観客の脳内補完に委ねた
雰囲気エロが満載で、特にミスボーグと大門の●●●シーンには大笑い。
シリアスな場面で爆笑を誘う竹中直人や柄本明の悪人ぶりも板についているし、
ラガーレッド(亜紗美)がやたらと張り切っているのも楽しかった。


■PS2:「SIMPLE2000シリーズ Vol.50 THE 大美人」

後半、板尾にバトンタッチしてからは
落ちぶれたヒーローが輝きを取り戻す再起の物語で、巨大化して街を破壊する●●は
PS2「THE 大美人」で同じく巨大化した双葉理保を思い出した。

板尾主演と銘打ってプロモーションが打たれているが
私的には前半、青年期の大門を演じた古原靖久にMVPを差し上げたい。
何しろ芝居が熱いし、「っでんっじんっザボーガーーーー」の叫びも良い。
スタントを極力頼らず、バイクシーンも含めたアクションの大半を本人がこなしたらしい。

三池崇監督は「ゼブラーマン」でこういう映画を作りたかったのでは。
小ネタの挿入や泣かせどころの演出が全てピッチリとハマッていて
現在進行形で特撮好きな方はもちろん、かつて特撮モノが好きだった大人にもお勧め。
「トランスフォーマー」よりも先にあった変形ロボットの元祖を、是非とも劇場で。

映画「電人ザボーガー」は10月15日より公開。




09月07日発売■DVD:「電人ザボーガー DVD-BOX【期間限定版」
09月23日発売■BOOK:「フィギュア王 No.164」
10月14日発売■BOOK:「宇宙船別冊 電人ザボーガ―」
10月14日発売■BOOK:「電人ザボーガー&ピー・プロ特撮大図鑑」

関連商品も続々発売。
TV版のDVDボックスは先月廉価版で復刻済み。
今週は特集雑誌が2冊ほど発売。




10月21日発売■DVD:「復刻!東映まんがまつり 1973年夏」
10月21日発売■DVD:「復刻!東映まんがまつり 1974年夏」
11月21日発売■DVD:「復刻!東映まんがまつり 1975年春」
11月21日発売■DVD:「復刻!東映まんがまつり 1976年春」

特撮も魔法少女も全盛だった1970年代の「東映まんがまつり」が
公開当時のままの編成で10月21日にDVD化。
作品ごとの単独ではなく、プログラム丸ごとのDVD化というのがツボ。
「1973年夏」と「1974年夏」が特に懐かしい。




■DVD:「富江 アンリミテッド」
■DVD:「ロボゲイシャ」
■DVD:「片腕マシンガール」

比類なき井口昇監督作品群。



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  タイトル:電人ザボーガー
    配給:キングレコード/ティ・ジョイ
   公開日:2011年10月15日
    監督:井口昇
   出演者:板尾創路、古原靖久、宮下雄也、山崎真実、佐津川愛美、他
 公式サイト:http://www.zaborgar.com/
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