ゲーム史に名を刻む問題作となるか?Wiiウェア「ディシプリン 調律帝国の誕生」 | 忍之閻魔帳

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タイトルとクリエーターの名前は明かされていたものの、
肝心の内容についてはヴェールに包まれていた
Wii Ware/Wiiウェア用ソフト「ディシプリン 調律帝国の誕生」について
海外サイトで内容に触れた記事を発見。

分かる範囲内で要点をまとめると・・・

・日本での配信開始は5月予定で北米・欧州と順次配信。(その後、日本では8月25に決定)
・「アクアノートの休日」「巨人のドシン」などで知られる飯田和敏氏
 ゲームデザイン、脚本、監督の一人三役を担当。
・ジャンルはアドベンチャー。
・開発スタッフは7名、開発期間は10ヶ月程度。
・スタート当初はDSでの発売を予定していたが、内容がかなり挑戦的なため
 完成直後にユーザーに届けられ、価格も抑えられるWii wareに変更された。

ストーリーやシステムについて

・舞台となるのは、とある国の政府の依頼を受け
 民間企業が作り上げた犯罪者向けの矯正施設。
・プレーヤーは、本格運用前の試験期間に「囚人役」として収容される。
・プレーヤーの目的は、檻房内で他の囚人達と会話を交わし、
 彼らが抱えている事情や懺悔を聞き出していくこと。
 ただし、檻房内にはプレーヤーと同じ「役者」として収監されている者と
 本物の犯罪者が混在しており、どの囚人が本物かは分からない。
・ゲーム中には、実際に日本で起きた犯罪事件をモデルにした囚人達が登場する。
 (地下鉄サリン事件や秋葉原無差別殺傷事件など) 


■DVD:「時計じかけのオレンジ」
■BD:「スキャナー・ダークリー」

サイコ・サスペンス系が好きな私にとっては、要点だけで期待度がMAX状態。
リンク先では、キューブリックの「時計じかけのオレンジ」や
フィリップ・K・ディック、デヴィッド・クローネンバーグあたりに
影響を受けたとされている。
フィリップ・K・ディックならば「スキャナー・ダークリー」、
クローネンバーグなら近作で言えば「スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする」あたりか。


■DVD:「es[エス]」
■DVD:「マシニスト」

舞台設定を読んで私が真っ先に思い出したのが
2002年に公開された「es [エス]」というドイツ映画。
看守役と囚人役に振り分けた人間を刑務所内に置き、
肩書きにそった生活を続けさせることで
人間の行動や精神状態がどのように変化していくのかを実験するという問題作。
看守役の人間は次第に攻撃的になっていき、逆に囚人役の人間は服従的になっていく。
ドイツ映画ならではの容赦ない演出は、公開当時かなり話題になった。
映画のベースとなっているのは、1971年にスタンフォード大学の心理学部が行った
スタンフォード監獄実験で、「ディシプリン」はこの実験や「es [エス]」の舞台を
日本に置き換えるところから始まっているのではないかと勝手に推察している。
(内容については何も知らないので、あくまでも勝手な予想)

設定は全く異なるのだが、囚人達とのコミュニケーションを重ねていくにつれ
主人公の精神状態がバランスを失っていくというあたりは
クリスチャン・ベイル主演の「マシニスト」という映画を思い出した。

日本のゲーム史上では過去に類を見ないショッキングな題材は、
本格的に情報公開されれば話題となることは必至。
このままの内容でも任天堂的に大丈夫なのか、
Wii Ware用のソフトで年齢制限をかけることが出来るのか
(内容的に全年齢OKとは考えにくい)など、興味は尽きない。
ゲーマーを自認する方ならば、今のうちにタイトルだけでも頭に叩き込んでおくべし。

8月24日追記。

製作者の飯田氏とお話させていただく機会を得たので
ファン目線で色々と聞いて見た。やり取りは以下。

【紹介記事】飯田和敏に15の質問。Wiiウェア「ディシプリン*帝国の誕生」


■Wii:「Wii リモコンジャケット 同梱」
■Wii:「ニンテンドーポイントプリペイドカード 5000」
■Wii:「ニンテンドーポイントプリペイドカード 3000」

【追記】


■Book:「調律の帝国/見沢知廉」

別記事のコメント欄にて
見沢知廉氏の「調律の帝国」がベースではというご意見をいただいた。
なるほどタイトルは確かに似ている。
ただ粗筋を読む限り、内容的にはやはり「es [エス]」の方が近い気も。
過去に発表されたサイコ・サスペンス系から
色々とヒントを得て作られていることはご本人も述べておられるので
あとはプレイしてのお楽しみとしたい。情報感謝。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:ディシプリン 調律帝国の誕生
  メーカー:マーベラスインタラクティブ
   ハード:Wii Ware/Wiiウェア
   発売日:2009年8月25日
    価格:800Wiiポイント
 公式サイト:http://www.mmv.co.jp/special/game/wiiware/discipline/
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