ハード末期らしい怪作「大玉」 | 忍之閻魔帳

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ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)

大玉 大滝秀治 GC
■GC:「大玉」


次世代ハードの姿が見え始め、
現行機がその役目を終えんとする時期に差し掛かると、
必ずと言っていいほど妙な作品が登場する。
私は、華々しいニュースの陰に隠れるように、
ひっそりと発売される作品に惹かれることが多い。
「ハード末期マニア」とでも呼んでいただこうか。

そんな私の所有欲をそそっているのが「大玉」である。
「シーマン」「The Tower」など、
一風変わった作品を送り出し続けている
ビバリウムの斉藤由多加氏が手掛けた「人海戦術落城アクション」だ。
連続して3回は言えなさそうなジャンル名を聞いても
今ひとつピンと来ないと思うが、
ピンボール台のような仕掛けが施されたステージ上で
マイクを使って兵に指示を出し、
敵陣を占領すれば勝利という単純明快なシステムだ。
タイトルにもなっている「大玉」は、
そのものズバリ、ピンボールゲームの玉と同じ役割なのだが、
ステージ上で懸命に戦う兵達をいとも簡単に踏み潰していく、
世にも恐ろしい巨大兵器でもある。

マイクに向かって「押せ!押せ!押せ!」と叫ぶと
「うぉおおお!」「ただちに!」「もっと『押せ!』と言って下さい!」など、
口々に叫びながら発奮する兵達。
従順な彼等を生かすも殺すも、全てはプレーヤーの采配と、
敵味方の区別なく命を奪う大玉を
いかに上手く誘導出来るかにかかっている。

オープニングや各ステージの前説などで登場する
大滝秀治のナレーションもハマり過ぎなほどハマっており、
「ハード末期マニア」かつ「ピンボールゲーム好き」でもある
私としては、買わないという選択肢はほぼ無いのだが、
マイクに向かって「押せ!」と大声で叫べるのか、という点が
ゲームバランス以上の最大の難関になりそうな気がする。
ステージ数も少なく、バランスもキツめだが
新しい物好きな方なら是非。

ちなみにこの「大玉」は、
「第9回 文化庁メディア芸術祭」の推薦作品にもなっているのだが、
「大玉」を除く全ての作品が発売済みである
(他には「脳トレ」「ワンダと巨像」「ドラゴンクエストVIII」など)上に、
エンターテイメント部門の審査員の中には、他ならぬ斉藤氏の名前が。
邪推させてしまうような冠なら、いっそ無い方が良い気がする。
まさに「大玉に傷」だ。

*当BLOGでの新作紹介は、
 1:あくまでも開発途中のROMを使ってのプレイであること。
 2:数分のプレイによる第一印象に過ぎないこと。
 3:発売までに内容変更の可能性もあること。
 を予めお断りしておく。
 簡単に言えば、「あまりあてにしないでくれ」ということだ。

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  タイトル:大玉
    機種:ゲームキューブ
  メーカー:任天堂
   発売日:2006年4月13日
    価格:6800円(税込み)
 公式サイト:http://www.nintendo.co.jp/ngc/gooj/
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