葉室麟という作家の時代小説です。
正直読むのに躊躇してました。
「うーん…時代モノねえ…面白いイメージが全くわかない」と。
昔、子供の頃確かに水戸黄門や大岡越前暴れん坊将軍は好きだったが…
まあ、試しに読んでみるかって感じでした。
感動した！
「面白い」という言葉はあまり似合わないかもしれない。
登場人物の凛とした生き方考え方にひたすら涙する。
これは心の汚れた人間には読むことが出来ないか、読んでも面白さを理解出来ないのではないかと思う。
ネタバレすまんが、農家の子供の源吉が父をかばい、幼い泣き虫の妹に悲しい顔をさせないようおどけた笑った顔で死んでいったシーンは涙が止まらなかった。
死ぬほどの拷問を受けながら、妹を泣かせないために…
読み終えると清々しい気持ちになれる小説でした。