ロールキャベツ

時折りメガネをあげ女性の話に相槌を打つ男性の後ろ姿が鏡に映る
グラスを傾けるとカランと氷が鳴った

それを一口飲むと喉ぼとけがごくりと蠢き
すっと体に入っていくイメージがあたしに流れてくる

「ん~
言わんとすることは分かるかな
響子さんの言ってること。
そうだね
例えば、その子に悪意はないと仮定するじゃない
するとその答え方はちょっと違ってくるよね?
だったら・・」

途中から篤くんの言ってることが頭に入ってこない
あたしから相談に乗ってもらったのに・・

同期の摩耶に誘われた合コンが知り合ったきっかけだった
一見、真面目そうに見えた。第一印象は草食系?なんて思ってた
そんな彼の名前は景山篤くん。ひとつ年下だ

話してみるとしっかりした受け答えで
何より自分の世界観をもってる
おまけに聞き上手
自分が恥ずかしいくらい
今まで出会ったことのタイプだった
服装も青系でまとめ清潔感で溢れていた

大抵の男たちはすぐ(自主規制)にもっていきたがる

それをチラリとも見せず・・
だからといって奥手というわけではない
あたしの反応にはグイッと近づき
サッと去っていくような爽やかさもある
そのギャップにも驚いた


「景山くんって目が悪いの?」

「え?裸眼で2.0ですけど?(笑)
メガネって知的に見えるじゃないですか
あ!でも今のナイショですよ(ゝω・´★)」

と微笑んだ時には既にやられてたのかもしれない
短めに手入れされた髪
どことなく向井理を意識してるのかな
ちょっと似てるかも
それが最初の会話だった

カウンターの隣でおしゃべりするあたしたち
ムードある曲がお洒落な落ち着いた店内で流れている


「響子さん聞いてます?」

袖をくいっと持たれ引き寄せられた
次の瞬間髪を撫でられる
心臓が一気に跳ね上がった

「あ・・うん
聞いてる。。」

「ほんとですか?
まぁ俺は響子さんの隣でしゃべってるだけで
緊張してるんですけどね(笑)」

さりげな持ち上げ。。ずるぃ・・
その照れ隠しのような表情をさらりとするとこも。。
ずるぃ・・

「またあたしをからかって・・」

「そんなことないですよ
響子さんのこと好きだし?」

目を見つめられたあたしは俯く・・
撫でた髪を離すと一瞬頬にスッと触れた
そのままグラスを手に取り一口飲むとふぅ~と小さく息を吐き出す
そしてネクタイを緩めた

少し緊張してた?
こういうかわいいとこもあるから
なおさらやられる・・

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

相談も一通り解決した
どうやらあたしの思い過ごしだという結論に至った。

「響子さんお腹減ってないですか?
ロールキャベツのおいしいとこ知ってるんですよ
時間大丈夫ならどうです?」

「そうね
もうちょっと飲んでたいけど
言われればお腹減ったかな」

「すぐ顔に出ますもんね
響子さんって(笑)」

「そう?・・かな?」

「俺にだけ分かるんですけどね」と意味深な事を言う・・

「アレ?響子さん少し目が腫れてません?」

「え?」

あたしは目の辺りを触る

「化粧室すぐそこだから見てきたらどうです?」

響子が席を立ち化粧室に消えると
篤は伝票をさっと取り会計へと向かった

席に戻ると篤くんの姿がなかった
あ・・またやられた。。
いつも上手い手を使われる・・
そのまま外に出る。。

「やっぱり夜はまだ寒いですね
どうぞ」

そう言ってあたしを引き寄せると腕を組む
あたたかい・・

「じゃ
いきましょうか」

ふたりは夜の街へと消えていった

FIN


※ご注文の品ですィー(。・ω・)ゝ
ロールキャベツ男子ってこんなのでいいのかな(笑)
ミラーズだとヒカルに近いような?気がしますw
その逆のアスパラガス男子っていうのもあるんですねぇ
いろいろ考えるものです( ´艸`)
残さず召し上がれ(ゝω・´★)

昨日考えすぎて更新遅れたのはナイショです( ̄∇ ̄*)ゞエヘヘ

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