結局俺はお前にただ。。
くそ・・

なんだかお前が俺にとって眩しすぎたんだ・・

「恭介ってどこか・・
違うとこ見てるみたい・・
そうやって自分を責めて
何もかも全部背負ってるみたいで。。
あたし・・」

俺はその先を聞かなかった
お前を突き放してしまった

「関係ねぇだろ!」

あんなこと言うつもりなんてなかったんだ
お前に・・

ばかだよな・・
ほんとはお前と一緒に歩けばよかった

お前の横で・・

お前の瞳を見て
お前のぬくもりを感じながら

部屋を飛び出したお前を・・
俺は追いかけなかった
出来なかった。。

結局は俺がお前を苦しめてたと思うと・・
足が動かなかった

芦田恭介は吸い終わったPARLIAMENTを
指先ではじく

飛び散った火の粉がぱらぱらと回転しながら側溝に落ちていく
降り始めた雪はいつしかみぞれに変わり
その冷たさが恭介の体に沁み込んでくる

濡れた髪先からぽたりと落ちてくる
その雫が絡まれた時、切った唇にも落ち痛覚を感じさせた

「っつ・・」

何やってんだ。。

恭介は舌先で唇を舐めた

トンネル目の前に見えてくるトンネル
行き交う車のライトが眩しい

水をはじく音

灯るテールランプ

トンネル入り口の街灯が
チカチカと点滅する


トンネルか。。
出口はあるのか?俺の中に・・
先は見えるのか?お前と俺に・・

携帯が着信を知らせると恭介はジャケットから取り出した

『夕菜』

ディスプレイにはそう表示されていた

FIN


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