邦題:「悪い女」
原題:「파란 대문(青い門)」
製作年:1998年
脚本:キムギドク
監督:キム・ギドク
キャスト:
イ・ジウン・・・ジナ
イ・ヘウン・・・ヘミ
チャン・ハンソン・・・ヘミの父
イ・イノク・・・ヘミの母
アン・ジェモ・・・ヒョンウ ヘミの弟
チョン・ヒョンギ・・・ケコ ジナのひも
ソン・ミンソク・・・ジノ ヘミの恋人
チャン・ドンジク・・・ドンフィ ボートやダイビングのインストラクター?
【あらすじ】
ソウルの売春村から浦項(ポハン)の売春宿にやってきたジナはその宿の主人家族4人と生活を共にすることになった。
毎晩客と寝るジナはその魅力で周りの異性を次々虜にしてしまう。そんなジナは宿屋の主人、高校生の息子ヒョンウをも魅了して行く。そして宿屋の娘である大学生のヘミはそんなジナを嫌悪しこんな仕事をする家族を軽蔑し、そしてある日全てを壊してしまう罠をしかけるのであった・・・
【感想】
映像は紛れもないキム・ギドク作品なんですが話の内容はとても優しさのあるものになっています。そしてこの作品を見た人誰もが思うかもしれませんがあきらかに邦題である「悪い女」ってのはおかしいですね。全く内容に合わないタイトルです。
ってことで
さてと、
早速ですみませんが
≪ネタバレ注意!≫ですm(__)m
どうも私はよくこういう解釈をする傾向にありますが、ホントはジナは死んでしまったんだと思います。
海に金魚を放つシーンがありましたが自由と引き換えにジナも死を選んでしまったんじゃないでしょうか。
そこらまでは非常にストレートな世界・表現が続いていましたが、ジナとヘミがそれぞれお互いの後をつけるあたりから少しずつそれが変化して行き、夢でジナの死を見たあたりからギドクワールド(何かしらの違和感や、時間や空間の軸がずれたような感覚)独特の感覚が噴出てきました。
どうみても夏っぽい季節に雪が降った事でも(あぁ、今は現実ではないんだなと)ジナが死んでしまった事を強く感じされられるのでした。
もし死んだと思わなかったら、せつなさもありますがきっと温かい余韻の残る映画だったでしょう。
死んだと解釈してしまった事で、現実ではあの宿で今度はヘミが一家の為に娼婦として客を迎えている、そんな感じがしてなんともせつない感覚にとらわれました。
エンドロールの時の水中から見ている楽しそうなヘミとジナの顔がまるで幻のように、水に揺れ徐々にいびつに崩れていくあたりも最後までの監督の細かい演出を感じざるを得ませんでした。
(ちなみにこの映画レンタルショップ5件目くらいにしてようやく見つける事が出来ました)
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