2月22日は「にゃん・にゃん・にゃん」で猫の日!
…とワイドショーの報道をみて、なんだか無性に我が家の猫に会いたくなった。
こんな日はお土産を買って帰ろう。
きっと美味しい夕食を準備して、自宅で俺の帰りを待っているはず。
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「おかえりなさいっ」
「ただいま」
こんな会話がうれしい。
ドアを開ければ、少し前は想像できなかった美味しそうな香りの漂う自分の部屋。
「いい匂いだね。今日は何?」
「ハンバーグです!目玉焼きの乗ったやつ」
嬉しそうな笑顔に、目を見張っていれば何か勘違いをしたらしいこの子は上目づかいで見上げてきた。
「…子どもっぽかったですか?」
「いや、君の大好物だろう?嬉しそうだな、と思って」
「だって食べたくなったんだもん…」
なぜかちょっと拗ねたような口調。何が気に喰わなかったのかは分からないけれど、それこそ読めない機嫌の変化も猫のようだ。
「お土産、あるんだけどね」
「え?」
手にしてた紙袋を手渡す。
玄関先でごそごそと中身を覗いて、君はほにゃっと笑った。
(ほんと、かわいいな)
「やった、食後にいただいていいですか?」
「どうぞ」
紙袋の中身は甘めのスパークリングワイン。
いらぬ虫が寄らない様に、外ではアルコールは避けるようにと過保護な俺の言いつけを律義に守っている彼女は、強くはないがアルコールは好きなようだ。
「シャワーもどうぞ。着替えて出てくるころにお夕飯にできるように準備しますね」
うきうきした足取りでリビングに向かう君の後ろ姿に、尻尾がピンと立った猫を連想した。
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「おいしい~。デザートも作ってよかった」
夕食を食べてからは彼女のお楽しみタイム。
お土産のスパークリングワインを開けて、グラスを片手にご満悦だった。
手元にはフルーツをあしらったお手製の杏仁豆腐。
なんとなく食べたかったからという理由で出ていたソレとお土産のスパークリングワインを上機嫌に楽しむ様子はちょっと子供っぽくて、知らずに笑みがこぼれていた。
「もう、敦賀さんなに笑ってるんですか?」
「嬉しそうだな…ってね」
「だって美味しいんですもの…」
心なしかとろんとした表情。
ほろ酔いとなった君はうっすら頬が上気してとても可愛らしい。
いつも無防備な君だけど、上機嫌で酔った状態では破壊力満点だ。
こんなんじゃ外で飲ますなんてもってのほか。
「うふふ、何かしあわせ~」
いつもならしない仕草で、甘えて俺にすり寄ってくる。
いつの間にか膝の上に座り込んでグラスを片手に俺の胸にもたれてきている。
よく子供が父親に対してするような、そんな仕草。
でも体格差からすっぽり腕の中に納まるのはとても心地よい。
「ん?どうしたの、甘えてきて」
後ろから包み込むように抱きしめたら、アルコールで少し上がった体温が心地よい。
「ん~…なんでもないですぅ」
力が抜けてずるずると姿勢が崩れるこの子の手からグラスを取り上げてテーブルに置く。
取り上げた瞬間は「あっ」とちょっと抗議するような目をしたが、すぐに崩れ落ちた俺の膝で丸くなって体を摺り寄せている。
「お嬢さん?猫みたいですよ?」
「なんか気持ちイイです~」
会話がかみ合うようでかみ合わない。
それでも安心しきった顔で、まるで喉を鳴らす猫のような君に頬が緩む。
かわいいかわいい俺の子猫。
甘えるのは俺だけにしてね?
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今日は猫の日!とおもったらぽんと出てきた彼らの日常。
オチも何にもないけど、久々だな~。
こんな風にぽんっって浮かんだやつ。
最近は桃脳と上手く書きたいという想いが強すぎで、お話がまとまりません…