草刈先生の仕事の現場に行って、単純にQBの事や条件の事しか1日ではわからない。




一番大切なのは「透析医としての基本的な考え方」を日々の言動をどう仕事の中に落とし込んでいるかを生で見る事だ考えていました。



以下、昨日来の草刈先生の言葉を引用しましたが、多くの透析医やスタッフや患者は共感すると思います。




「小生は,長時間でも頻回でも,高血流でも,何でも良いと思います.HDFで有る必然性もそんなに多くはない.

その施設が,そして患者が受け入れられるベストもしくはベターの条件を模索すれば良いのです.



過剰透析というか,透析量を増やした事によるアンバランス,も保険診療内で対応できる事は沢山あります.」






「経営者や職員のQOLって,患者のQOLが良くなければ達成できないと思うのですよ.



その施設の大多数の患者が透析不足で悩んでいる状況を看過でき,何も悩まないような経営者や医療従事者って,自分の人生に悔いが残らないのかなあ・・・」




HDは,体内の環境(水分,電解質や酸アルカリ,体液中の溶質濃度やその他諸々)が急激に変化する治療法です.血流が多い=透析効率が高いとこの変化が激しいわけです.



HDを受けている方々は,この変化に対応できる能力を次第に獲得していくわけです(不思議な能力).だから,血流量を上げるにしても,患者ごとに適応力を見極めながら慎重に,そして勇気を持って対応していかなければいけません.


患者の対応力を超えた事をすればBP低下等の症状が出るのはある意味当たり前なので,だからと言って血圧が下がる事は『心臓の働き自体が弱った』からでは有りません.



患者ごとにそういう見極めをしながら治療設定していく.そういう,医療本来の姿が維持透析の現場でお座なりにされてきた事が,高血流=心臓に悪いという『都市伝説』を作り上げたのでしょう.」








「長時間透析や高血流のデメリットを如何に克服するか」



この点も「長時間透析研究会」で議論のテーマになると思います。




「デメリットを克服することはやりようがある」草刈先生がどうやっているのかは、日頃の言動でおおよそ想像はしていましたが、半分くらいは見えてきました。


しかしまだまだ目に見えないレベルで隠れているのでしょう。



スティーブ・ジョブスもビル・ゲイツもゼロックス研究所に行って、様々な技術を目の当たりにした。


そこからアイデアを盗んだのはステーブ・ジョブスだったけれど、ビル・ゲイツだってステーブ・ジョブスのMACのマネをした。



いいところどりにも頭がいると思います。