という訳で。
シアターコクーンで『怪談牡丹燈籠』を観てきました。
*写真はパンフレットとキャスト表。
“牡丹燈籠”ってぼんやりと話は知ってるけど、
きちんと起承転結覚えているかといえばそうでもなく
なんとなく
「女の幽霊が婚約者を呪い殺す話でしょ?」って
その程度の予備知識でした。
まぁ、正直それほど期待もせず。
というか。
アタクシが今までに触れてきた「怪談」というものは
“幽霊や化け物(人ではないモノ)が
特殊な力(呪いとか)でもって人間を殺す”
↓
怖いねぇ (((( ;°Д°)))) っていう
「殺されること」と
「怖い」がイコールだったんだけど
この舞台を見て思ったのは
怪談で本当に “怖い” と感じるのは
いわゆる霊的なモノより
人間の業(ごう)とか情念というものだな、と。
そういう印象でした。
ふと、知り合いが漏らした
「お化けや幽霊は怖くない
昨日まで隣にいた人間を殺してしまう
人間のほうがずっと怖い」
という言葉を思い出します。
あと、これが初舞台となる瑛太くん
初々しくてよかったです (;´▽`A``
・・・和装がイマイチ・・・というかカツラがね (^▽^;)
声通りもいいしね。
他の舞台(現代劇など)も見てみたいと思いました。
お国を演じた秋山菜津子さん、
身持ちを崩した女を演らせたらサイコーっす (ノ´▽`)ノ
ホント大好きっ ((>д<))
お国と源次郎の関係が
不義というよりは純愛に見えてくるから不思議。
劇中に出てくる3組のカップルは
一方から見れば弱く、ずるく、もろくて、滑稽で
他方からみれば、優しく、可愛らしく、なんと愛おしいんだろうと
しみじみとした気持ちになります。
“現が夢で、夢が現か・・・”というセリフがあるように
あいまいで、不鮮明な人の心。
因縁とも運命とも言えるかもしれない
人と人の関係。
純愛か、怨念か、若い2人の恋。
エゴで人を殺して、結局幸せになれない2人。
成り上がったものの、過去に縛られて疑心暗鬼になる男。
男に寄りかかりつつも、信じ切れない女。
取り巻き、つながり、明らかになるそれぞれの関係。
後悔、反省、懺悔。
回転盤が回る舞台で、
ぐるぐる回るのは人の心か、この世の憂さか?
罪を犯すまで、の人間ドラマが
この舞台の醍醐味です。
思った以上に楽しめました。
シアターコクーンにて31日まで公開中。
気になる方はぜひどうぞ。