国別対抗戦、あるいは今シーズンお疲れさまでした | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

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羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

 長いシーズンがようやっと終わりました。なんとか無事にジェットコースターを降りた、降りたもののまだ足元はふらついている、そんな感じです。奇しくも昨日から自分を除く家族が春休みを利用して、独仏国境にあるEuropa Parkというテーマパークに出かけていたのですが、そこは絶叫マシンひしめく欧州屈指の人気パーク。中でもブルーファイアというマシンは、ほぼ動き始めた瞬間に最高スピード(時速100km)に達してしまうという恐ろしい代物なんだそう。ブルーファイア…日本語にすれば「蒼い炎」じゃないですか!ひぃ、出来すぎてる…。

 それにしても、つくづく国別という一体誰得な試合(賞金含め色々インセンティブがあるとはいえ)は、ワールドを乗り切った選手とスケオタの疲労困憊した心身に高笑いしながら鞭打つかのような過酷なお祭りです(大げさ)。

 特に羽生くんファンは、あのワールドでビッグサンダーマウンテンを体験したばかりだというのに、再び国別ショートでスプラッシュマウンテンに強制乗車させられたようなもの…身が持ちませんて。

 ショート演技前に顔色が悪かった…とか、開始後も珍しく集中できてなかった…とか多くの人たち感じてらしたようですが、わたしはそのあたりはよく分からず…。どちらかというと、仙台モニュメントの除幕式のふっくらしたお顔を見て以来、あんまりふっくらしてジャンプに支障が出ないといいんだけど、などとあらぬ方向で心配していた程度でした。しかし練習でもジャンプは好調だったようだし、あと一つ不安要素があるとすれば、それは彼らしい過度の気負いかなと。実際、演技後に天を仰いで何かをつぶやいた、あの表情を見て、あれ?今回はなんだか特別な心持ちだったのかな…?とは感じたのですが。まさか、プリンスにごめんなさいしていたとは〜。

 羽生くんの抱くプログラム使用曲へのこだわりや曲にゆかりのある人へのリスペクトは素晴らしいことだし、彼のフィギュアスケートに対する情熱の一部でもあると思うので、そういった要素が素材にある以上は、もっと気楽にとは言えません。だからこそ、五輪シーズンのプログラム曲選定に際しては、そのあたりが足枷として作用しないよう、気持ちが入りすぎないような個人的こだわり成分や社会的影響(オーバーに聞こえるでしょうが今の彼にはそれほどの影響力が国内ではあるかと)が低めのものを選ぶのが無難かもしれないなーと思っています。あとはSPに関してはリカバリーが可能なジャンプ配置ができる編曲にしてほしいんですが、ループをコンボにできるのか、あるいはループを2本目のクワドとして跳べるのか、という素朴な疑問もあるし…。難しい!4T再導入すればその点も軌道の問題もクリアでき楽になれそうだけど…ありそうもないなあ(苦笑)。

 国別ジェットコースターの話に戻りますが、またもや「逆襲係」となったホプレガ。あんな優しい癒しのプロなのに2度3度までもこんな役割を負わされて…。あ、「白衣の天使」という呼び方の方がいいかな(笑)。しかし真面目な話、4CCからの3試合、羽生くんはこのプロを滑る度に不可能を可能に変えてきました。いつも真のチャンピオンにしかできないやり方で。4CCの高度すぎる鬼リカバリー、ワールドの神演技による世界記録更新、そして国別では史上初のクワド3連コンボ成功および後半4回転3本成功…。ホプレガは当初の想い以上に、彼のスケート人生とスケート哲学を描く、ほとんどリアリティショー的プログラムになったようです。

 それにしても、羽生くんが現在最強のコンプリートスケーターであるのは誰もが認めるところですが、やっぱり特筆されるべきはジャンプのクオリティだと再確認。凝った繋ぎからディレイ気味に優雅な放物線を描き軸はあくまで細くふわりと着氷する、プログラムに溶け込んだクワド。もともとソチパリ散でジャンプの非現実的美しさに瞠目してファンになった自分ですが、その後クワドの種類を増やそうとも、それが後半に移動しようとも、そういった彼一流のクオリティに決して妥協をゆるさない姿勢こそやっぱり彼をチャンピオンたらしめているもの。この不世出のスケーターをリアルタイムで応援できる喜びを、ふらつきながらも改めて噛みしめた今シーズンの幕引きなのでした。


温故知新:初戦オータムクラシックと直近3試合のホプレガプロトコルを振り返ろう


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来季に向け、気分はこのくらいウキウキ♪