四大陸 男子フリー CBC解説 (昌磨・ボーヤン編) | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

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羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

4CC男子フリーのCBCのカート解説がつべに上がっていました。最終Gのみですが、こうやって演技を試合の流れの中で見られるのはやっぱりワクワク度が違いますよね。アップありがとうございます。カート節は相変わらず軽妙かつ詳細、大技の前の盛り上げ方なんか本当にナチュラルな話し手なんだなあと、羨ましい限り!

そして「今、男子フィギュアはゴルフ界のようにいい選手がひしめいている状態」というカートに激しく同感。羽生選手が頭一つ抜けているのは事実でも、彼をして進化させなきゃと思わせる、まるで上向きのスパイラルが目に見えるかのような今季の男子フィギュアには本当にワクワクさせられます。

男子フィギュアを語る上でもはやラスボス羽生抜きでは語れないという現状を反映して、彼の出場していない大会でも必ず名前が引き合いに出されていますが、4CCも然り。そういう意味でも聞いていて楽しい♪

ケヴィン、昌磨、ハンヤン、無良君、ボーヤン、パトリックの解説を、順不同にざっくり訳を上げて行くつもり…挫折しなければw

今回は、今季大活躍のシニアデビュー組ということで、昌磨君とボーヤンをピックアップしてみました。面白いくらいにスタイルが真逆の二人ですが、カート解説はそれぞれの長所と短所を、ユーモアを交えながら的確に指摘しています。特にジャンプ技術の詳細解説、勉強になりました。



略号>アンディ(A)、キャロル(C)、カート(K)

Shoma Uno(9:05)

K: 新しいスターの登場だ。

A:若い宇野昌磨はシニア1年目、GPSは好調でファイナルに出場、銅メダルを獲得。去年のJGP王者としては、シニアに勢いを繋げたということで、サプライズではないかも。

C:小柄だけどスピードは凄い。

K:女子の試合の時宮原がリンクをカバーできるようにならなければという話をしたけれど、彼の場合それは全く問題じゃない。君のいう通りだ、キャロル。

(4T)珍しい。4Tはいわゆるステップアウトになった。勢いを止められなかった。気をつけて見てみると、彼はジャンプの着氷で左の肩を開く傾向がある。体幹の強さと猫みたいな能力でなんとかなっているが、これは膝に来るんだ。何年か続けているとトラブルが起きるよ。スプレッドイーグルからのトリプルアクセル。左側が開いてるのが分かる。今のようにちょっと雑なために、せっかくの着氷の流れを失う時があるね。でも文句はこれでおしまい!

C: 2本目の3A。ほとんど…(聞き取れず)

K:プログラムのデザインはオーソドックス。振り付けや音楽という意味じゃなくて構成がね。まず体力のある時にジャンプ3本、スピンを2つ、そしてステップ。そしてジャンプにボーナスが付く後半に入る。

(スローパートの最初のマイムの部分)日本の男子ってどうしてこういった瞬間の掴み方がうまいんだろう。原則として皆、静止したままで無から効果的瞬間を作り出す。役者なんだな。入り込んで。

C:(後半クワド)ああ、2回めの4T挑戦だけどコンビにできなかったので繰り返しになり減点されてしまうわ。

K:(3連)これは美しかった!

C:彼の、何もないところから加速できるところが大好きよ。

K:チャンみたいだね。

A:日本の宇野昌磨、ナショナルでは2年連続銀メダルを獲得。羽生結弦が現役でいる限りそうなってしまうかな(笑)。でも日本のスケートのファンならこれだけ若い男子が揃ってたらエキサイティングですね。もちろん女子では宮原が優勝したばかり。

C:ごめんなさい。私、頭の中で彼と宮原知子を史上最も可愛らしいダンスチームとして振り付けしてる最中よ。

全員:(笑)

K: (演技振り返り)ジャンプでオーバーローテすると大きな回転モーメントが右ひざに掛かかるのが見えたと思う。彼のキャリアのために、この癖を即やめてくれればと願うよ。ショーマン宇野。プログラム後半のクワドは中途で失敗。トリプルフリップ、普通はセットアップに時間がかかるけど、ハーフループからバックアウトサイドに乗って、軽く後ろに足を伸ばして氷を突いてる。

Boyang (29:50)

K:今すごく話題を集めているこの若者。

C:ボインボインボイーン♪

A:中国のボーヤン・ジン。ISU公式大会で4Lz3Tが認定された最初の選手。その中国杯では2位になりました。

K:それ、聞いてると夢のコンボにしか聞こえないね。

C:全然プレッシャーを感じてないみたい。

K:彼は全然! スピードを右足に移し替える能力が凄い。基本的に右足を氷について跳ぶんだけどターンは左向き、それがフリップやルッツが例えばトウループやサルコウに比べてずっと難しい所なんだ。さあ来るよ!お願いだから…これ大好きなんだ。クワドルッツ!ボイ~ン!

C:おお!すごく簡単に見えちゃう。こんなの許されないわ!(笑)

K:ビデオゲームみたい。これで13~14点になる。ありがとうございます!クワドのテーマは続くよ。今度はバックインサイドエッジから。クワドサルコウ。クワドの終わりの上半身がぶれずにリラックスしてるのが羽生のようだ。

( 3A1Lo3S)これはスピードの無い所から来たね。こんなにスピードが無いのに3S跳ぶ権利なんてないだろう。まあ、やっちゃったけど(笑)

A:これだけジャンプがあるので技術面に注意を集中しすぎている、もっと観客とコネクトしなければ、というのは自分でも認めていたわ。

K:(まだ)17歳だよ!

C:そうね。それも身についてくるわ。

A:その課題に気づいてるということが成熟の証拠よね。

K:スケート界が楽しみにしてるのは多分彼が試合で17回クワドを飛ぶこと!(笑)実際、彼には少々のスケーティングスキルもあるよ。ジャンプだけじゃない。若いけど、音楽に合っているし意識している。

C:このシーズンの成長ぶりを見ると特にそう思うわ。彼は飲み込みの早い子よ。

A:そうね。

K:ここですこし休んで後半に。ここからのクワドは全部ボーナスが付く。

C:これでバラエティパックの完成ね。

K:ははは、4Lz、4Sに4Tね。今冷蔵庫からテレビの前に戻ってきた人、これからもう一度クワドが来ますよ。4Tが。…もうとてもじゃないけどやってられないよ!彼、重力ってものを分かってるのかな?いや、面白い。本当に面白いよ!怪我も無くて若いということは…

C:そしてとても自信に溢れてる。演技前はジャンプのことを考えて緊張すると言ってたけどそんな風には見えないわ。

K:4Lzって言葉を日常語の一部にしちゃった以外に今年彼がやったことがある。彼こそが、羽生にプログラムのクワドを増やす気にさせたと羽生が認めている。そのおかげで羽生が成層圏に上って点数的に他選手達をいわば置き去りにすることになったんだ。

C :(上のカートのコメントに反応してるけど聞き取れず^^;)

A:全然スピードが落ちてないわ。

C:疲れが見えないね、全然。

K:あとは時間通りに終えるだけ、できた!

A:シニアGPS初参戦でファイナル出場権を獲得。ナショナルでは3年連続チャンピオンです。

C:クワドが4本入ったプログラムを観れるなんて、考えてみたら信じられないこと。

K:(演技振り返り)(4Lz)ここ、カメラマンの予想以上にジャンプが高かったみたいだね(笑)。彼の秘密はね、太ももの太さじゃない。 氷上で上げてきたスピードの勢いに上半身と下半身が乗る、そのタイミングなんだ。そこがパーフェクト。そして一旦空中に上がれば回転するためのポジションは絶妙で、腕を胴のすごく下の方にキープすることで重心も低く保っているんだ。腕の位置が上がると肩も上がる。すると一番高く上がったところでちょっとした風が起きて4回転のバランスを崩してしまう。彼はとても安定しているよ。

以上。



昌磨君、今回はクワドが決まらずジャンプの問題点を集中的に指摘されてしまいましたが、ワールドでは是非バッチリ決めて、長所を褒めてもらえますように!ちなみに3連のフリップはカートもジョニーもべた褒めですよね。あれ、将来的に1本目を3Aにしたりしないかな!気になる膝の負担ですが、個人的には韓国のジンソの着氷こそ、見るたびに怖いなあと感じます。あれは問題ないのかなあ。猫足って人によっては魅力的に見えたりもするみたいですが、膝には悪いんだ…。心配なので修正できるといいな。

ボーヤンの演技の時はどの海外解説も本当に楽しそうw そして何より本人が楽しんで滑っているのがすごく伝わってくるところが、好きだなあ。なんか陽性のオーラがあるんですよね。キャロルが言ってた「彼は飲み込みが早い(He's a quick learner)」というところ、ここ本当にその通りで、それがボーヤンの怖いところだと思っています!

動画感謝してお借りしています