ネイサンはアメリカのスターになれるか(2016全米男子感想) | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

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羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

 スター選手の怪我によるWD続出(涙)で盛り下がるかと思われた全米ですが、蓋を開けてみれば、良演技続出。次々にトップの入れ替わるエキサイティングな大会となりました。

 個人的にぶっちぎりの主役は、ネイサン・チェン!この若さで歴史的なフリーを滑りました!

 ショートで2クワドも素晴らしかったですが、フリーは3クワド(十分スゴイw)構成と見せかけて突然キタ~の4クワド!!しかも全部クリーン!!!「ジャンプだけのプログラム」ではない「熱い何か」が伝わってくる演技でした。全加で明らかに元気を取り戻したパトリックが、多クワドトレンドをdisろうとも(てか、ディスってる本人が4Sを来季入れてくるつもりで練習してるので、フリーに3本は視野にいれてるのよね^^)、やっぱりジャンプは熱いのだ。後期ロマン派に分類されるというサンサーンスの切迫感ある音楽に、若い彼が、自分の現在持てる力のすべてを出してがむしゃらにエネルギッシュに絡み付いていこうとする様は、まさに「シュトゥルム・ウント・ドランク」(←結構適当なこと言ってますw)。翻ってパトリックはいわば古典派ですね。古典派の整った安定感を美しいと思う人もいれば、ロマン派の荒々しい情熱に感動を覚える人もいるのです。私は、ネイサンのフリー、畳み掛けるように繰り出されるクリーンなクワドのうねりに巻き込まれていくような興奮を覚えましたよ。クワドだって助走も短く、特に後半単独4Tをイーグルから跳ぶところなど、鳥肌!

 …ちょっと羽生くんのロミジュリの頃を連想しちゃったんですよね。TES先行だし観客とコネクトするという面ではまだ未熟なんだけど、内なる切実なパッションが感じられて。これまでネイサンって割と無表情なスケーターだと思っていたので、こんな感想を持つ自分に内心びっくり^^ でも、このままネイサンが国際舞台でクワドで戦えるオールラウンダーとして成長すれば、「アメリカ人に誇りを感じさせるスポーツ選手」として、彼の地におけるフィギュア人気復活の立役者になれそうな気がするのですよ~。ダメかな~。

 4クワドと言えばボーヤンも好きだし彼にしか跳べない4Lzは本当に素晴らしいと思います。でもプログラム全体として見た場合、クォリティの差は明らか。ネイサンの場合、PCSはこれから積み重ねていくとして、あとはスピンと3Aがんばですね。(そして何より怪我からの回復。ほんとお願いしますー><)ボーヤンはシニアにふさわしいプロ(振付師)に巡り合うのが肝要かと。

 ネイサン賛歌はこの位にしておいて(汗)、アダムとマックスは最終点差が僅か1.2でした。正直どちらがチャンピオンになってもおかしくなかったと思います。アダムにPCSのアドバンテージがあるのは納得だし、プログラム全体としての完成度は文句なく高かったです。マックスのブラックスワンは、うーん、頑張ってるんだけどなかなかしっくり来なくて>< しかし一方、TESの面ではアダムのいくつかのジャンプの回転の判定(フリーの4Lz(DG?)やコンビのファースト3Lz(UR?))や、GOE(ショートのURっぽい3AにGOE1.57とか)には疑問が残ったのも確か。まあ、その辺りは採点競技なのでね…。苦節8年、26歳にして悲願の金メダルを獲得したアダムにお祝いの気持ちで一杯なのは変わりません。

 次なる舞台は四大陸とワールド。悔しい思いをしたであろうマックスも、プレカンでクワドの事ばかり聞かれちょっと気の毒だったアダムも、国際舞台で、国際ジャッジの前で、リベンジする、あるいは再び自らの能力を証明する絶好の機会ですね。今回素晴らしい演技で晴れて派遣される選手たち全員、次の二つの大会でも存分に実力が発揮できますように!

男子フリー最終G動画

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