米西海岸旅行記その② | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

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羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

さて、今回の旅は長く雄大でした。

①導入編:スイス→LA。ハリウッドで2泊して旅の疲れを取り、来たるべきキャンプ生活に向け体調を整える。

②ネイチャー編:キャンピングカーで各地の国立公園を回る→大自然の世界から急転直下、ギンギラギンなラスベガスで当編終了、空路サンフランシスコへ。

③アーバン編:サンフランシスコで都会見物→ファミリーバンを借りて数泊しながら海岸沿いに南下、LA郊外のサンタモニカで連泊してLA等に足を伸ばす。

④テーマパーク連チャンのフィニッシュ編:ユニバーサルスタジオ&ディズニーランド→スイス

堂々の4部構成!!( ̄▽ ̄;)

今まで2週間、長くて3週間のバカンスが普通だった我が家にとって今回は破格の日程でした。
理由としては、やはりキャンピングカーの旅はそれなりの日数がないとゆったり楽しめないという事があります。慣れない大型車で急ぐあまりに事故っても馬鹿らしい。しかし③と④については別に無理してぶらさげなくてもいいんじゃないの?とも思ったり…。

実はカナダやアメリカの国立公園をキャンピングカーで巡る旅というのはスイスでとっても人気があります。石を投げれば経験者に当たるレベルです。
そのおかげでルート選定やキャンピングカーのレンタルについて、ありがたい経験談をいろんな方からたっぷり頂戴することができました。

実際、同じようなルートを同時期に辿っていた長女の友人から連日のように旅の情報メッセージがスマホに届いたり、国立公園のハイキングルートでばったり夫の仕事関係の方に会い、あとで「ああ、◯◯さんね、来るって言ってたよね」と言うと夫が「いや、違う人だよ、彼が来てるのは知らなかったよー」というやりとりがあったり…。

周囲で「よかったよー♪おすすめだよー♪」的な話を長年聞いてきて、夫の中に憧れが募ったのでしょう。
そして、長女が成人してステディな社会人の彼氏もいるということで、家族揃ってバカンスに行けるのは今回で最後かもしれない!という、娘の父らしいおセンチなパニックにも襲われたのでしょう。
「…今しかない!」、彼にとってはそういうタイミングだったのだと思われます。
…いいんですよ、そのおかげで私は今年も日本に帰れないわけですけどねっ。

で、キャンピングカーなんですが…。

LAのハイウェイ(首都高みたいなもの。ただし片側5車線)を延々とタクシーで走ること1時間ほどでレンタル会社のオフィスに到着。
オフィスのロビーは北欧系の家族で一杯。
そこで結構待たされたあと(3時間待たされたというケースも後から知ったので2~30分くらいなら全然ラッキーだったのですが…)、17歳くらいと思しきかわいいメキシコ系のお姉さんの説明を聞きながら契約書作成など手続きを済ませ、予約したクルマの待つ駐車場に案内されました。

「ん?…え??」

駐車場に並ぶ他のキャンピングカーは、まあ大きいけどキャンピングカーだな、と思えるいでたちなのに、私たちのは…どう見ても…

「バス。」




唖然とする私たちに係のメキシコ系のお兄ちゃんが、「クルマをアップグレードしましたよ!」とニコニコ…。

一度でいいから飛行機に乗るときエコノミーからビジネスへのアップグレードなどというラッキーな体験したいなーと思ってたけど、まさかこの場面でこういう形でアップグレードの恩恵に授かるとは…なぜ…なぜ…。

それまでは夫と交代で運転するつもりでいましたが、そんなものは瞬時にして撤回。
普段よその旦那さんに比べてあんまり長時間運転が好きじゃない夫も私の表情を見て「これはあかん、今回はこいつには頼れん」と察したのでしょう、孤軍奮闘で頑張ってくれました。あーよかった♪

ところで、キャンピングカーはアメリカではRV(Recreational Vehicleの略)と呼ばれています。
日本でRVと言っているジープ型のアレらはアメリカではSUV(Sports Utility Vehicle)にあたります。

アメリカでRVというと、キッチンやシャワー、トイレ、ベッド、テレビ、エアコン完備の動く家、すなわちモーターホームのことなので、クルマをレンタルするときは気を付けましょう!(実際はRVは専用のレンタル会社で借りるので混同しませんがw)
タイプとしては、バス型のRV及びそれ自体にはエンジンが無くて牽引される種類(トレイラー)のRVがあります。

機能性抜群で清潔な洗面所兼トイレ


写真右横の部分はずずーっと拡げる事ができるのでキャンプ中の室内はもっと広くなります。


いわゆるオートキャンプ場はRV Parkと呼ばれるRV専用のキャンプ場(テント可の所も有り)。各ロットに電源と蛇口が配されています。




ロットにクルマを入れ、RVの電気ケーブルとホースを接続すれば、我が家にいるがごとく快適なキャンプ生活が送れるのです。
この二つの生命線以外に汚水を流す排水口もついていれば そのロットは「Full Hookup」と称され、RV Parkの仕様としては最高クラス。

で、各地のRV Parkを渡り歩くうち、最初「でかすぎるでしょ、これ…」と思ったウチのバスが、全然こじんまり見えるくらいにアメリカ人の平均的RVがでかいことがわかりました。



これはそれほどビッグじゃないけどレトロデザインがオシャレだった。




そして、ただでさえでっかい一体型RVの後ろに、彼らは更にジープや乗用車を牽引して現地用の足にしていることもわかりました。一体型のRVは小回りが利かないし砂利道は走れない、普通のレストランの駐車場にも入れられないということで、現地で動き回るには別にクルマがないとアクティブライフの実現は無理なんです。水辺のキャンプ場ではもちろん、モーターボートを引っ張るRVが多見されます。

巨大インフラに投資を惜しまず貪欲にバカンスを楽しむアメリカ人、というイメージが一つ私の中で出来上がりました。
住宅地でも庭にでっかいトレイラーを置いている家をよく見たので、家からしてでっかくないとダメですよね。
ヨーロッパでもキャンピングカーはポピュラーですが、格段に小さいし、多分あのサイズを運転するには別種カテゴリーの運転免許がないとダメだと思います。

「ダイジョーブ!2週間後に返却するときにはきっとプロになってるよ!」とレンタル会社のお兄ちゃんのポジティブな言葉に送り出された私たち、確かに経験を積んで慣れはしたけれど、RVってね…

・道路の凹凸がめちゃくちゃ苦手

アメリカの駐車場では進入するクルマを強制的に減速させるため、出入り口の路面にでっぱり(bump)や溝(dip)を設けているところが多いのですが、これはRVには致命的。止まってんじゃないの?というようなノロノロ速度で恐る恐る通っても、激しく傾いて揺れるのです。毎回すごく怖かった。

・横風が苦手

ハイウェイで大型トラックに追い抜かされるときなど(そして特に田舎道はトラックがやたら多い)、グワンっと横に傾きます。その度にうおお!となります。

・駐車に困る

アメリカだもの、田舎の道路は広くて駐車場もスペースがタップリあるはず!と思いきや、路側帯はRVが苦手とする未舗装だったり、これまた苦手とするビミョーな段差があったりして、フツーのクルマならなんでもない事がバリアとなり、なかなか思うように駐車ができないのでした。

ちなみに、大型スーパー・チェーンのウォルマートにはこの点で大変お世話になりました。
広大かつ無料かつガラーンと空いてる駐車場完備の素晴らしいスーパー!(他の大型スーパーも同じですが、我が家はウォルマートに刷り込みされた如く懐いてしまったのでw)

これが平均的ウォルマートの駐車場(写真に写ってる部分はほんの10分の1ほどw)



2台分のスペースを頂戴するのはもちろん、ジェネレーターを稼働させて駐車場でランチなど調理させていただいたこともありました(´∀`) もちろんお礼に毎度お買い物もちゃんとしましたよ!(笑)

約2週間のRV生活、落石注意ゾーンでフロントガラスにしっかり石が直撃してヒビが入った事、まだ運転に慣れない頃にカーブを早く回り過ぎてしまい、食器棚の扉が遠心力に耐え切れずパカーンと開いてガラガラガシャーンと食器類の3分の一が無残に割れた事、レンタル会社の手落ちでナンバープレート無しの状態で走っていたというとんでもない事実にパトカーに止められて初めて気づいた事(不思議とお咎め無しだったw)、そんな数件のエピソードを織り交ぜつつ、無事にラスベガスでRVを返却・お別れしたときには心からホッとしたのでした。

続く)



ヒビ