ルールのお勉強 PCS・INその② | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

今日(こちらはまだ今日です^^)はアメンバー記事もアップしたので2回目の記事になります。
そのアメンバー記事ですが、自分が過去にツイッターにあげた動画をアメブロに貼り付けることができるかどうかのテストが目的でしたので、うまくいったらすぐに一般公開するつもりです。
今日のテストの結果…リンクは貼れましたが、動画埋め込みはダメでした(案の定💦)
というわけで、今回アメンバー申請を数件いただきましたが、アメンバーにならなくても見ていただけるようにしますので、少々お待ち下さいね♪
アメンバー申請については遅まきながらブログタイトル下に新しく注意書きを入れましたので、そちらを参考にして下さい。
どうぞよろしくお願いしますmm



さて、前回の記事ではデイヴのちょっとびっくりな意見をご紹介しましたが、実際IJSではどんな風にINをジャッジするのか知りたいところですよね。

INに関しては、例のISU公式動画がなかなかスグレモノなので、必見です。
音楽の解釈について、特に「音楽と動作の繋がり」とは具体的にどう判断されるのか、とてもわかりやすく興味の持てるガイダンスになっています。
訳を付けてみましたので参考にしてください♪




(イントロダクション)「音楽的動作とは、選曲のキャラクターやスタイル、フレージングを反映する動作です。音楽には、多様な言語と同じく、フレーズというまとまりがあります。言語のように音楽にもそれぞれリズムやテンポの違いはありますが、全ての音楽に共通するのは「問いかけ」と「答え」のパターン。「問いかけ」と「答え」からなるフレーズが一つの音楽的文章を作り上げるのです。ここで、あるアイスダンスのペアの選曲を聞いてみましょう。音楽のスタイルはクラシックです。」

(0:41)(音楽に合わせて、フレージングを構成する「Question:問いかけ」「Answer:答え」が表示される)

(1:50)「では、どのような動作が音楽に合わせて行われたのかを見てみましょう。動作のフレージングが音楽のフレージングに呼応しているかに注意してください。」(アイスダンスの演技)

(3:08)「動作のフレージングが音楽のそれによくマッチしています。アイスダンスで焦点となるのは音楽と動作であり、エレメンツはスムーズに音楽の解釈に組み入れられるようになっています。」

(3:20)「では、シングル・スケーターの選曲です。これもクラシックです。」(音楽)

(4:20)「では音楽に合わせてどんな動作が行われたかを見てみましょう。特に動作のフレージングが音楽のフレージングに合致しているかに注意してください。」(女子シングルスケーターの演技)

(5:25)「一般的に言って、シングルとペア・スケーティングではリスキーなエレメンツの準備をするために、音楽と動作の乖離が起こります。(男子シングルスケーターの演技)

(5:46)「ここに挙げるのは、エレメンツの実施前にかなりの時間、音楽を無視し、乖離してしまう例です。」

(6:13)「2つ目の技術要素の準備のため、再び音楽から乖離します。」

(6:25)「基礎点が13.8点である4T-3Tコンビネーションの準備のために音楽を無視した時間は12秒。基礎点8.2点の3A前に音楽を無視した時間は11秒。技術要素が成功した場合の得点は大きいものがあります。しかし、多くの場合、そのために音楽との繋がりや解釈が失われるのです。」

(6:55)「音楽とスケーターの繋りに関して、幾つかの演技を見てみましょう。わかりやすいように、音楽と動作の繋がりの有無をスクリーンに表示します。なお、技術要素もプログラムの一部であり、結果の成否に関わらず、音楽に合っているべきだという事を考慮してください。」(男子シングルスケーターの演技。画面に「繋がり:connect」「乖離:disconnect」が表示される。)

(8:57)「失敗があったとはいえ、音楽との乖離は僅かな時間でした。動作のフレージングは常に完璧ではありませんでしたが、身体的・感情的に音楽と繋がっていました。」

(9:12)(男子シングルスケーター:2つ目の例)

(10:47)「ISUのジャッジング・システムでは、TESとPCSのバランスを決めるのはスケーター自身です。もし、選手が高得点の狙える高難度ジャンプを組み込み、エレメンツの前にかなりの時間音楽の解釈をしないという選択をした場合、その代償はINのスコアに反映されなければなりません。」

「この二人の選手が音楽と繋がっていた時間を見ると、左の選手は33秒、右の選手は1分25秒。乖離していた時間は左の選手が1分4秒、右の選手はたった9秒でした。」

(11:33~)(シングルの例に倣ったペアの演技の比較)

以上。

細かい!細かいです~💦
もちろん実際に現場で時間計測はありえませんが、ジャッジはこういうディテールを自分の感覚の中に叩き込んだ上で演技を見ているんでしょうねー。
見る側も、採点はできないまでも、こういうポイントを知っているかいないかでは、ずいぶん演技の見方や楽しみ方が違ってきますよね。
それにしてもアイスダンスのめくるめくフレージングの素晴らしさ!
今の所シングルを追うだけで手一杯な私ですが、アイスダンスの魅力も少しわかってきたような気がします。


INと言えば、羽生クンの卓越した音楽性とその表現にも是非触れておきたいところ♪
海外解説は上手く言葉にできない(私のような^^)ファンの思いを代弁してくれるので大好きなんですよね。
おそらくみなさんももうご覧になったことのあるGPFポーランド語解説。
ありがたいことにyoutubeの方は英語の字幕付きですので、羽生クンの表現力の本質をついた素晴らしいコメント、解釈に関わる部分の拙訳を書き留めておきたいと思います(ニコ動の方では和訳もつけて下さっています)。

エキシ解説より)

男性:…彼はある点で傑出している…彼のプログラムには常にトータルなまとまりがあるという事。要素を次々こなすだけという滑りなど見せた事がない。どんな種類の音楽でも見事に解釈してしまう。今季はSPでショパンを、FSでウェバーの音楽を滑っているが、これらは全く違うタイプの音楽。彼のプログラムには空っぽな瞬間というものが無い。美しい見せ場ばかりだ。彼は自分自身を美しく表現するユニークな才能を持った俳優のようだ。僕にとって彼は世界で最も優れたスケーターだよ。

女性:その通りね。技術面で優れている上に、音楽の解釈も素晴らしい。はっきり言って、彼は音楽やプログラムを解釈しているのではなく、音楽やプログラムそのものになりきっている。すごい説得力があるの。音楽のスタートから終わりまで見ている者は息もつけないほど。独特の魅力を発散しているわ。

FS解説より)

彼のプログラムは常に完全で、退屈させられない。要素前の長いプレパレーションなど皆無、全てが流れの中にあり、演劇のように美しくプログラムを演じている。
そして音楽解釈の達人でもある。彼の美しい魂を晒け出すような演技。いつも氷上に降り立った途端にオスカー級の素晴らしい俳優に変わる。その上、驚くべき才能の持ち主だ。彼の持つ個性的なスタイルは観ていて非常に好感が持てる。全てを持った選手だね。

以上。
先日のユニバーサルスポーツさんといい、このポーランド解説さんといい、彼にPCSを出さなければ誰に出すと言わんばかりの表現力の褒めちぎり様…本当に嬉しいです音譜

次回はまたTSLの分析をアップしますね。
対象はジェイソン・ブラウン君です(^-^)/