高校野球を見てて思ったんだけど、最近の高校球児って細くてひょろっとしている気がしない? 一昨年ぐらいまではまーくん(田中将大)とか中田翔みたいな骨太でデカイ選手もいたような印象があるんだけど、たまたまかなあ。だんだん怪物なんてあだ名がつけづらくなってくるかもね。





北村薫と宮部みゆき。


ミステリー作家としてはもちろん、本読みとしても信用している書き手。

過去に何度も競作でアンソロジーを編んでいる。


そんな二人が今回テーマに選んだのが「半七捕物帳」だ。


読んで、「半七」!―半七捕物帳傑作選〈1〉 (ちくま文庫)/岡本 綺堂
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時代小説も好きだし、ミステリーだって、しかもこの二人が薦めてるんだから…なーんて思ってもなんとなく気が進まない。




でも読んでみる。




うーん、これは食わず嫌いだっただけだな。



時代物のミステリーってどうも現代の科学捜査から考えると犯人決定の証拠に乏しい印象があった。

まあ、実際そういうところもあるんだけど、そういう物的証拠よりも、犯人と思われる人物への観察力(洞察力の方がいいかな)が素晴らしい。


ちゃんと理詰めの推理で事件の真相にたどり着いている(!)




それと新しいなと思ったのはその設定。

既に老人になった元岡っ引きの半七親分に現代(昭和の初め)になって聞き書きしてまとめるというスタイルで続く連作シリーズ。


つまり江戸時代を生きた証人として、半七親分の目を通して江戸の世にすーっと入っていくという仕掛けになっている。



これは落語だな。それも人情噺というか。

落語家が最近あった出来事なんかを話して笑わせてからすっと話に入るように、違和感なく、本当にあった出来事を読むように物語の世界に入っていける。


そしてこの本はあとがきの代わりに北村×宮部の解説をまじえた対談が収録されている。ここで二人の優れたミステリー作家の本読み術まで堪能できるというわけ。


どれも20~30分で読める短編ばかりだし、(うちにはないけど)縁側とか公園で蝉の鳴き声でも聞きながら読むのにぴったりだよ。



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