近頃、無料おかきカフェなるものが注目を集めているようです。
カフェとおかきという組み合わせには、違和感を覚える面もあります。
それ以上に、無料で振舞うという発想はなかなか斬新ではないかと思います。

参考↓『無料おかきカフェ 世界初!?若者にも人気』
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/260820/
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090601-00000056-san-soci

(以下、記事を引用...)
東京・虎ノ門。ビジネス街の一等地に5月にオープンしたカフェが早くも大盛況だ。入り口には「ドリンク各種¥0 おかき・せんべい¥0」との表示。そこは「すべてがフリー(無料・自由)な世界初の本格的カフェチェーン」と銘打つ「播磨屋ステーション」((電)03・5512・4747、年中無休)。平日の昼下がり、恐る恐る入ってみると…。


コーヒーとおかきの香りの中、114席がほぼ満席。主婦やOL風、ネクタイ姿のサラリーマンなど幅広い客層だ。吉野直美店長(35)は、「初めての方は『本当に無料でいいんですか?』という驚きと、多少の警戒を持って入られますね」とニッコリ。兵庫県の米菓製造「播磨屋本店」の播磨屋助次郎こと阿野拓夫社長(60)が「10~30代の比較的若い人たちに、日本の伝統食品であるおかき・せんべいの魅力をPRするとともに、地球環境問題について解決策を提言したい」と開設した。
中央のカウンターには、自家焙煎豆をその場でひいた本格的なコーヒーのほかオレンジジュースやほうじ茶などの飲み物とともに、8種のおかき・せんべいが並ぶ。空席を見つけて休憩。サクサクしたおかきのしょうゆ味が意外にもコーヒーに合い、おやつにピッタリと…ウレシイ半面、タダ食いに気が引けて落ち着かない気も。隣の席では「この後、おせんべい買うよね?」と大学生の娘が母親に念を押している。「買う買う!買って帰るわよ~」と母は即答。


「平日平均1000人強がカフェを利用。購入客は500~600人で、以前より2~3割増えました。カフェに来店したビジネスマンが『おいしかったから、会社の女の子に配るよ』とお買い上げになったり、贈答利用も目立ってきた。ここで知名度を上げ中元商戦につなげたい」と吉野店長。
同社は年商約70億円。通販と全国12店の直営店で販売している。ここ東京店では、昨年から小規模な無料カフェを設けていたが利用は「年配の常連さん」ばかり。そこで、約200平方メートルの店舗の7割以上をカフェスペースに全面改装。コーヒーチェーン風のロゴマークや全面ガラス張りなど若者にも入りやすい雰囲気を作り新規客を呼び込んだ。京都と福岡にも同様のカフェを出したが、集客・売り上げ効果は東京がダントツという。
環境問題について持論を述べる社長のメッセージパンフレットには、唯一のカフェ利用ルールが書かれてあった。「お互いの立場立場を理解し尊重し合いながら、マナー(公衆道徳)をきちんと守ってください」。「フリー」の大前提は日本人の美徳、公徳心。多くの利用者は問題ないが、「おかき・せんべいは1人1皿」の表示にもかかわらず2皿持っていく男性の姿も…。試食のつもりが、人間の品性も試されている。同社では年内にさらに大型の無料カフェを銀座に出店予定。外国人観光客も多い街でどんな反応が起きるか、気になる。

一般の店舗にも、売りたいお菓子の無料試食というのは結構あります。
ただ、そういう場所で落ち着いて飲み物と一緒に食べるということはありません。
それができてしまうというのは、思い切った試みだといえるでしょう。
しかも、東京の一等地に構えるところが更にすごいと思います。

そこには、利用者が食べた商品を買って帰るということが見込まれています。
食べて見て美味しかったら、そのまま帰るより買ってみたくなるものです。
利用する度に買ってくれれば、お店としても採算が合うということでしょう。
なかなか良く考えられたビジネスモデルではないかと思います。

こういう場所は、食べ散らかしてそのまま帰る人が少ないのだと思います。
行儀の良い人が比較的集まり易い雰囲気になっているのでしょう。
引用記事の「日本人の美徳」という言葉は、それを物語っているかのようです。
同じことを他国でやった場合、うまくいかない国が多いような気がします。
こうした試みは、今後広がっていくのかも知れません。