子供の将来のことを考えると、しっかり勉強させるのは当然のことです。
しかしながら、高校や大学まで通わせるとなると、相当のお金がかかります。
我が国の現状では、義務教育までではまともな就職先はかなり少ないです。
少なくとも高校、できれば大学を卒業しておくことが無難だと思います。

ただ、高校以上は義務教育ではないので、行くかどうかは自己判断となります。
学費の負担についても、家庭の状況に応じた判断が必要となります。
負担ができなければ勉強が続けられないのは、今の仕組みでは仕方がありません。

ここで、授業料の滞納を理由に卒業証書を渡さないといったケースが出てきています。
これには賛否があるようですが、私は仕方がない措置だと思っています。
ちゃんと全額支払った段階でもらえるのなら、それ自体が問題とは思えません。

参考↓『卒業証書を回収、私立高7校が授業料滞納の生徒に…山口』
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090310-OYT1T00615.htm
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090310-00000615-yom-soci

(以下、記事を引用...)
山口県は10日、県内の私立高校7校が生徒計13人に対し、授業料滞納を理由に卒業証書を回収したり渡さなかったりしていたことを県議会で明らかにした。
県は「生徒に責任はなく残念な結果。こういうことが起きないよう学校側に要請する」としている。
県が9~10日、全20校に電話で聞き取り調査した結果、5校が11人に証書を手渡した後に回収、2校が2人に渡さなかったと回答した。私立校は授業料が学校運営の主要財源となっており、学校側は県に「やむを得ない措置」などと説明している。
全国私立学校教職員組合連合(東京)によると、景気後退の影響もあり授業料滞納は増加傾向にある。未納分を納入するまで卒業証明書を出さないと生徒に通告する学校もあるという。

確かに生徒に責任はありませんが、あっさりと証書を渡してもいいものでしょうか?
ただ、未納だからと一律に渡さないというのは、よくないことかも知れません。
滞納理由と支払い予定を明確にするという条件で渡すという方がいいとは思います。
とはいえ、この事例は私学ですからやむを得ない措置であるともいえますが。

これとは別に、奨学金についても返還の滞納が問題となっています。
学費という観点では共通なので、ここで少し取り上げることにします。

参考↓『奨学金滞納者 ブラックリストに賛否 精神的ダメージ/仕方ない』
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/230537/
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090311-00000561-san-soci

(以下、記事を引用...)
奨学金の返還が3カ月間滞ると個人信用情報機関に登録します-。独立行政法人「日本学生支援機構」が打ち出した対策に、賛否が分かれている。延滞の抑止などが目的だが、「奨学金制度を続けるためには必要」と理解を示す学生がいる一方で、「サラ金の滞納者と同じようにブラックリストに載せるのはおかしい」と疑問視する声もある。

◆同意しなければ打ち切り
同機構が対策を発表したのは昨年12月のことだった。
個人信用情報機関への登録は、本人の事前の同意が必要なため、機構は現在、奨学金を利用する全学生に「個人信用情報の取扱いに関する同意書」に署名するよう求めている。4月30日までに同意しなければ、「奨学金の貸与を打ち切る」方針で、新たに奨学金を希望する新入生も同意が前提になる。
3カ月以上滞納した人の個人情報は、早ければ来年4月から、金融機関などが加盟する個人信用情報機関に提供する予定だ。現在の滞納者に対しても、今後、同意書を配布していく。

◆デモやシンポも
個人信用情報機関に登録されると、どんな影響があるのか。債務整理や借金問題に詳しい大森顕弁護士は「いわゆるブラックリストに登録されると、クレジットカードやローンの利用が難しくなり、日常生活に支障をきたす恐れがある。また、落後者の烙印(らくいん)を押されたように感じ、精神的にダメージを受ける懸念もある」と話す。
滞納しなければ登録される心配はないが、疑問を持つ人もいる。東京都内の大学院に通う男性(26)は、機構の奨学金を利用しているが、「同意しなければ貸与を打ち切るというのは、ほとんど脅迫。最初の契約になかったことをいきなり言われても納得できない」といい、まだ同意書を出していない。
京都市内では今年1月に学生ら約50人がブラックリスト化に反対するデモを行った。4月12日には、東京・京橋で「奨学金の貸金業化を考えるシンポジウム」(仮称)が開かれる予定だ。

◆次世代の奨学金に
疑問の声の一方で、理解を示す学生もいる。機構の奨学金を利用する東京都内の男性(23)は「返すことを前提に借りているので、特別な事情がないのに滞納するのはフェアじゃない。(機構の対策は)仕方がないと思う」。別の大学4年の男性(23)も「滞納者が増えると今後の奨学金へ回せる額が減るので責任をもって返すのは当然」と話す。
機構の奨学金は、利用者の増加に合わせて滞納額も増えている。3カ月以上の延滞債権額(返済期日が来ていない分を含む)は、平成19年度末で2253億円に上り、回収努力は継続的な課題だ。財務省から回収の強化を求められていることも今回の対策につながった。
機構は「返還金が次の世代の奨学金につながるということを理解してほしい。経済的な事情や病気で返還できない人は、返還期限を遅らせることができる猶予制度もあるので届け出てほしい」としている。

■自炊で節約志向の大学生
全国農業協同組合中央会(JA全中)が全国の一人暮らしの大学生(男女計600人)を対象に、「一人暮らしの大学生の食生活実態調査」をインターネットで実施(2月6~13日)したところ、9割の学生が3食のうち1食以上を自炊し、5人に1人は3食とも自炊していることが分かった。
節約志向の高まりとみられ、親から送ってもらってうれしい物の第1位は「お米」(63・7%)、2位は「レトルト、インスタント食品」と保存できる食品を求めており、約8割の学生が「価格」に気をつけて食生活を送っているという。
JA全中は「外食の値上がりや、不況による親の仕送り負担の軽減を意識して自炊し、節約しているようです」と分析している。

【用語解説】日本学生支援機構
旧日本育英会など5団体が平成16年に合併してできた独立行政法人。奨学金の貸与事業や留学生の支援事業などを行う。奨学金は、無利子の第1種と有利子の第2種。両方合わせて、貸与を受けた人は10年度は50万人で、右肩上がりで増え続け20年度は122万人に。返還者数(19年度末)は約222万人、滞納者(同)は約29万7000人。

奨学金は貸与を受けた側からすれば債務ですから、返還するのは当然のことです。
返還したお金が資金源になり、現役の学生への貸与に回されることになります。
返還が滞れば資金不足に陥ってしまい、貸与がままならなくなってしまいます。
自身が奨学金のおかげで学ぶことができたのだから、返還して協力するのは当然です。

しかし、奨学金を「あるとき払いの催促なし」と勘違いしている人もいます。
民間のローンなどと比べて、厳しい督促などがある訳ではありません。
平気で踏み倒してしまう輩も多いと聞き及びます。

私自身は学生の頃、経済的に困窮していて奨学金のお世話になりました。
就職後は余裕がない中でも、期限を守って全額を返還しました。
お世話になったお礼としてちゃんと返還するのは、当然だと思っています。
そういう意味で、滞納者をブラックリストに載せるのは仕方ないと思います。
返還するのは、貸与を受ける側の義務なのですから。

とはいえ、総じて勉強にお金がかかり過ぎることもまた事実でしょう。
本来であれば、経済的負担を気にせず就学できる道筋があるのがベターです。
金持ちが高度の教育を受け、貧乏人は低学歴となる現状はあまりよろしくないです。
教育まで自己責任と去れるのは、どうにも馴染めないような気がしますね。