久々のKJMライヴ⑩ | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

「スタジオの支払いなんですが、
明日の本番の分も私達が払わなきゃいないみたいなんです・・・。」

アシスタントが
僕にスタジオの
オーナーと話しをして欲しいとの事。

ヴォーカリスト達と
シンガポールで合流するため
一泊前乗りして
リハーサルを希望したのは
僕達だったから、
スタジオ代と
リハーサルの機材代を
払わなきゃいけないのは承知していた。

請求も事前に伝えられていた通りの金額だった。

問題は、
それが2日分と明記されていた事だ。
多分バレないだろうと請求したものの
オーナーが真実を白日の下に晒してしまったのだ。

僕達のアテンドしてくれていた
キャロリンという女の子に詰め寄る。

「イベント当日の機材代は
ギャラに含まれないって契約書に書いてあるよね」
僕はアシスタントが持っていたコントラクトを
彼女に突き出した。

困った彼女は、
契約書を送ってきたブッキング・エージェンシーに
電話をかけている。

オーナーが、
店とシンガポール・サイドの担当者との契約書を僕に見せる。

1350ドル(2days)
と明記されている。

僕は
彼に言った。

「この金額の全ては払えないよ、
今日の分は一体幾らなんだい?」

首をすくめて驚いたような表情を見せる彼。

キャロリンとオーナーが
何かを話しあっている。

「これは、2DAYSと書かれているのが間違いで、
一日分の値段なんです」
とキャロリン。

僕は、
彼等の化けの皮を剥がそうと、
トリックを仕掛けた。

「じゃ、一体、2日でいくら請求するんだい?1350の倍って事は2700か?」
僕は
もの凄い剣幕で捲し立てた。

「ノー」
怖じ気づいたオーナーが
ゲロを吐いた。

自分の過ちに気が付いたのか
開・け・た口が塞がっていない。

(やっぱり、
機材代を僕達のリハ代に乗っけようとしてやがったな)

オーナーの奥さんらしき
おばさんが
慌てて請求書を
1日分に訂正し、
プリント・アウトしている。

それでも、
金額はそのまま払う事にした。

嘘を見抜く人間がいる事を
彼等に思い知らせることで
僕の優越感は満たされていたからだ。

でも、
決して彼等は
学習しないだろうけど・・・。

それに
事前に聞いていた額だし
1350ドルを払う事に
本当は問題なかった。

むしろ
口を滑らせてくれた
スタジオのオーナーに
感謝すらしていた位だ・・・。

キャロリンが
申し訳なさそうに
付け加えた。

「注文されてたフェンダー・ローズなんですが、
別料金で500ドル必要なんですけど・・・」

僕は
彼女に
強い口調でこう言った。

「当日の機材レンタルはビタ一文払わないって言ってるだろ」

彼女には悪かったけど、
僕が妥協できるのはそこまでだった。

果たして
KYOTO JAZZ MASSIVEサウンドの
トレード・マークでもある
キーボード、
フェンダー・ローズは用意されるのだろうか?

僕が
練習した
エフェクトは
この楽器がなくては
披露できないのだ・・・。

(つづく)