今回は熱中症対策として、環境省が開設している熱中症予防情報サイトから、暑熱環境を緩和させる様々な工夫や技術について紹介したいと思います。

 

 環境省 - 暑熱環境を緩和させる様々な工夫や技術

 

 

1.建物の外側での対策

①日射を防ぐ ~日除け(すだれ・よしず・シェード)~

室内に入る熱の主たる経路は「窓」です。窓からの日射の侵入を防ぎ、室温の上昇を抑制して冷房用エネルギーを削減しましょう。

②壁や窓を緑で覆う ~壁面緑化~

緑のカーテンは、簡単にできる対策です。外壁の高温化、蓄熱を防ぎ、窓から入る日射を減らしましょう。

③窓の断熱を強化する ~日射遮蔽フィルム~

窓に特殊なフィルムを貼ることで、室内に入る日射を減らし、室温の上昇を抑制して冷房用エネルギーを削減しましょう。

④日射を反射させる ~高反射率塗料~

夏場の日中は、屋根の表面温度が60℃~70℃程度まで上昇します。屋上面や屋根面に日射を反射させる塗料を塗ったり、緑化するなどの対策が効果的です。

⑤屋上を緑で覆う ~屋上緑化~

軽量土壌を活用し、屋上で植物を育てる技術です。屋上の高温化を防ぎ、最上階の居室の天井面の温度上昇を抑制することができます。

2.敷地内での対策

①水で路面を冷やす ~打ち水~

日中に打ち水することで、路面温度が10℃程度低下し、人が路面から受ける放射熱を減らすことができます。

②敷地の高温化を防ぐ ~敷地内の緑化~

草地の表面温度は、蒸散高価などにより、昼間はアスファルトと比べると1020℃程度低くなります。夜間には放射冷却により、葉っぱの表面温度は気温より低くなり、周囲の空気を冷却することができます。

③ドライ型ミストの設置

ドライ型ミストは、細かい水粒子を噴霧することによって、水分が気化する際に周辺の空気から熱を奪い、局所的に気温を低下させる空間冷却システムです。

④快適な木かげを提供する ~効果的な樹木の配置~

木かげに入ると涼しく感じます。木の葉っぱは、日射を遮ってくれるだけでなく、葉っぱが蒸散作用などにより熱くならず、路面の高温化も防ぐため、ひんやりとした空間を形成します。

⑤路面温度の上昇を抑制する ~遮熱性舗装・保水性舗装~

遮熱性舗装や保水性舗装により、路面温度の上昇を抑制し、快適な歩行空間づくりに貢献することができます。また、舗装への蓄熱が少なくなるため、夜間の気温低下を促進することができます。

3.建物の内側での対策

①建物の中の風通し ~窓や扉を解放する~

室内の空気がこもらないように、外気が涼しい朝や夜には、建物の中を風が通り抜けるように外気を積極的に取り入れましょう。

②室内で発生する熱を減らす ~発熱源を減らす~

室内には様々な家電製品やパソコンなどのIT機器があり、それぞれの機器は発熱しています。夏季にはできるだけ熱の発生を抑えるため、使用頻度の低い電気ポットやコピー機などがあれば、電源をオフにしましょう。

③空調機器の高効率化 ~高効率機器への交換等~

エアコンのエネルギー効率は1980年代とくらべて約2倍に向上しています。最新のエアコンに交換すると省エネになります。