開業への道(21) - 業務処理に必要な帳票の事例 ⑤ - 

 

「開業への道」という題名で、開業に必要な事務所開設の準備とその運営方法、委託契約の締結や業務を進める上での留意点などに関して連載中です。参考資料は、東京社会保険労務士会にて開催された開業準備講座に参加した際に副読本の資料としていただいた『事務所開設と運営マニュアル』です。この連載ものが終わる頃には、自らの開業への決心がつけるようにがんばります。

日常業務の処理方法の一環として、通常使用されている帳票の代表的なものについてまとめています。今回は被保険者台帳兼雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿です。

 

4.被保険者関係届出事務等処理簿

被保険者の管理を厳格にし、特に年金請求、給与関係等に落ち度のないように配慮するために、被保険者関係届出事務等処理簿を備える必要があります。

被保険者台帳兼雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿

この処理簿以外に、全国社会保険労務士会連合会で頒布している「被保険者台帳」も利用できます。記載項目と記載時のポイントは以下のとおりです。

①作成年月日

②健康保険の記号、告知番号

③厚生年金の記号、告知番号

④厚生年金基金の記号、事業所番号

⑤雇用保険事業所番号

⑥労働保険番号

⑦事業署名、所在地、担当者名、電話番号、FAX番号

⑧健康保険被保険者証等の番号

⑨被保険者の生年月日、⑩氏名

⑪性別

男女で年金の請求年齢が異なるので、性別の確認は特に注意が必要。

⑫基礎年金番号、基金加入員番号

⑬取得年月日、喪失年月日

健康保険等の喪失年月日は、会社を辞めた日の翌日

⑭給料、通勤費

基本となる給与だけでなく、通勤費、現物支給などや残業を見込んだ報酬額を届ける。

⑮標準報酬月額と変更年月日

⑯雇用保険(取得年月日、雇用保険番号)

⑰退社年月日

雇用保険は退社した、健康保険等の関係は退社した日の翌日(喪失年月日)

⑱喪失処理事項

健康保険証を紛失して返還できなくなった場合は、本人からサイン・押印をもらい、「滅失届」を提出する。所在地不明などにより返納されない場合は、「被保険者資格喪失届」に「回収不能届」を添付して提出する。

 

業務処理に必要な帳票の事例は今回で終了です。次回は最終回として、業務侵害等の留意点についてまとめます。

 

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