開業への道(20) - 業務処理に必要な帳票の事例 ④ -
「開業への道」という題名で、開業に必要な事務所開設の準備とその運営方法、委託契約の締結や業務を進める上での留意点などに関して連載中です。参考資料は、東京社会保険労務士会にて開催された開業準備講座に参加した際に副読本の資料としていただいた『事務所開設と運営マニュアル』です。この連載ものが終わる頃には、自らの開業への決心がつけるようにがんばります。
日常業務の処理方法の一環として、通常使用されている帳票の代表的なものについてまとめています。今回は報酬月額変更届データ票です。
3.報酬月額算定(変更)用資料
昇降給などによって大幅な賃金の変動があった場合には、その月以降の継続した3カ月間の報酬を基にして4カ月目から標準報酬月額が改定されます。これを随時改定といい、「月額変更届」を提出します。保険料は翌日徴収なので、賃金からの実際の控除は5カ月目になります。
報酬月額変更届データ票
このデータ票は、月額変更届の資料帳票になります。記録する際のポイントは以下のとおりです。
①事業所名、②担当者名、③電話番号
④健康保険、厚生年金、厚生年金基金
各書類を提出する際、この番号に基づいて作成されるので、きちんと記載しておくこと。
⑤告知書番号
健康保険、厚生年金、厚生年金基金ともに告知番号があり、この番号で保険料の徴収が行われる。
⑥個人健保番号、個人年金番号、個人基金番号
⑦氏名、種別、⑧生年月日
⑨健保、年金等従前の標準報酬
標準報酬月額が2等級以上差を生じたかどうか分かるようにするために、事前に従来の標準報酬月額を記入しておく。
⑩報酬の支払月
⑪支払基礎日数
⑫報酬月額
⑬通勤費
通勤手当を支給した場合は、月数で割って1カ月あたりの額を求めて報酬に含める。
⑭現物給付
⑮報酬合計
⑯平均額
⑰遡及支給額、⑱遡及年月、⑲修正平均
ベースアップが決定し、さかのぼり支給があった場合、さかのぼったベースアップの差額を除いて、支給される額を算出する。
⑳昇降給差額
昇降給差額を記入する。給与月の考え方は、実際に支払われた日の属する月とする。3月1日から3月31日までの給料が4月5日に支払われた場合は、4月の報酬として取り扱う。
次回は被保険者台帳兼雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿についてまとめます。