英検1級の1次試験合格率は12.7%(H23/11/30調べ)であり、かなりの難関です。
しかも、12.7%という狭き門であることに加え、英検1級受験者層については帰国子女は元より、いわゆる一流大学在学中でかつ、英語の自信のある長期留学経験者や海外勤務経験のある一流の商社、金融のビジネスマンであり、層のレベルが厚い。
一次試験ですら、その中の10人に1人しか受からないことを考えると、留学経験無しの高校3年生が合格する確率はかなり低いといえます。
スクールにも通わず、独学で一ヶ月という短期間ではなおさらです。
ゆえに、戦略を立てました。戦略なくして、自分より優秀な人たちと戦うのは無謀です。
削ぐところはしっかり削ぎ、そして無駄なことをやらないという戦略です。
その戦略とは
4:3:2:1=語彙:作文:長文読解:リスニング(1日約4時間勉強×30日=約120時間)
の比率で勉強時間を割き、自分の勉強時間のほとんどを語彙と作文につぎ込むという戦略です。
はっきり言います。リスニングは捨ててください。対策するだけ無駄です(ただし、帰国子女は別。)。
【なぜ語彙と作文なのか。】
■語彙に関して
高校三年の帰国子女でもない私が、帰国子女や一流大学生に文章読解能力とリスニング力で勝てるはずがない。努力しても能力的に彼等レベルまで持っていけない可能性がある。ゆえに、努力した分だけ点数に跳ね返ってくるセクションである語彙に力を入れるのは当然のことです。
(波及効果で合格者平均点には届かなくても、長文読解の能力も上がる。)。
■作文に関して
高2で準1級を受験した際に、やり方さえ間違えないプロセスに従って努力をすれば、語彙と同様努力した分だけ点数に跳ね返ってくるセクションであると確信しました。
そして何より、語彙25点+作文28点=53点/108点
全体で約50%の得点源です。英検1級は全体で70点位がほぼ確実な合格ラインですので、語彙と作文で満点レベルを獲得し、力を抜いたセクションで少し穴埋めの点数が獲得出来れば、無事合格となります。
一次試験各セクションの対策
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■語彙編
語彙力アップには以下の3つの本を使用しました。
(↑私が受験した当時は英検1級Pass単熟語が主流でしたが、現在は廃盤となり、こちらが英検1級対策の上で主流の単熟語本となっています。)
(↑問題を解きながら、分からない単語を単語帳に)
(↑問題を解きながら、分からない単語を単語帳に)
の3点のみです。これだけです。
よく英字新聞を読んで語彙力を上げようとしている方おりますが、必要ありません。1ヶ月という短期間を考えるならば、時間の無駄なので絶対やらないでください。
上記3点の具体的な内容は下記記載の通りです。
①英検1級でる順パス単 (旺文社英検書)について
賛否両論ありますが、英検1級に合格するための必須語彙が詰まっています。
英検1級必要語彙数は準1級のおよそ2倍と一般的に言われていますが、おそらくそれは嘘です。嘘とはいえないまでも、そこまで必要ないでしょう。過去に出た単語が新試験にも大量に出題される試験です。
ゆえにそれを抽出した単語をガッチリと押さえてしまえばよいです。
(ただし、英検1級でる順パス単は最低必要レベルに過ぎません。)
※なお、近年はTOEFLiBTスコアが留学(や海外インターン)の際には求められます。
TOEFLiBT受験を視野に入れている方は、TOEFLテスト英単語3800 (TOEFL iBT大戦略シリーズ)を使用することをお薦めします。
後半の内容が英検1級と被ります。
②7日間完成 英検1級予想問題ドリル (旺文社英検書)について
語彙力アップと作文セクション対策においても、使用する本です。
英検突破に関して神様レベルの名著です。
というのも、作成者は「旺文社(英検関連本を多く出しており、英検に精通している。)」であり、ほぼ実質的に英検主催団体といっても過言ではない位です。
ありがたく予想までしてくれています。
少なくとも私のときは、類似的な問題が出題された記憶があります。
(しかも、1級の時だけではなく、準1級の時でさえも類似問題が出題されました。だからこそ、このシリーズのテキストを私自身凄く信頼していますし、準1級の対策をする方も、準1級用のこちらのテキスト Amazon.co.jpを絶対に購入するべきです。)
これなくして、英検1級短期間突破は不可能です。
③2016年度版 英検1級 過去6回全問題集 (旺文社英検書)について
問題の出題形式やレベルを把握するのに必須です。まずは、でる単(あるいはTOEFLテスト英単語3800 (TOEFL iBT大戦略シリーズ))で基礎を抑え、大体おおまかに覚えられてきたという段階で使い始めます。
でる単をやっても知らない単語を単語セクションを解く過程で書き込んでしまいましょう。
その他のセクションを同時にやる必要はありません。
あくまでも単語をインプットする時は、単語のインプットのみに集中すべきです。
・コクヨ タン-25NB 単語帳 A6 スパイラルとじ38枚
Amazon.co.jp
電車が込み合っていても、人目を気にせず広げられるサイズ。
ノート型だとサイズが大きすぎて満員電車では使えません。迷惑がられます。
細切れ時間有効活用のためにもこの小さな書き込み単語帳を使うべきです。
(人目に触れるときにデザインなどにこだわるのであれば、ノート型でも致し方ないかもしれません。)
単熟語インプットの時間は、最初の10日間程度に集中して割くべきです。
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■作文編
のみ使用しました。
英検突破に関して神様レベルの名著です。それは、作文対策に関しても同様なことです。丁寧に解答が記述されています。そして、この解答こそ英検1級で求められている作文の100点満点の解答です(何故なら、英検主催団体ともいえる旺文社作成。)。この解答の隅から隅まで知り尽くせば、殆ど満点レベルです。
具体的な進め方は下を参照。
・英検1級一ヶ月突破対策(作文編:1)
・英検1級一ヶ月突破対策(作文編:2)
・英検1級一ヶ月突破対策(作文編:3-1)
・英検1級一ヶ月突破対策(作文編:3-2)
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■長文読解に関して
・7日間完成 英検1級予想問題ドリル (旺文社英検書)
・英検1級過去6回 全問題集〈2011年度版〉 (旺文社英検書)
を出来るだけ多くこなすイメージです。分からない単語や表現は語彙、作文と同様に単語帳に書き込んでください。
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■リスニングに関して
はっきり言います。リスニングは捨ててください。ここは、帰国子女達が点数を稼ぎ出すセクションです。(当時高校3年生の)純正Japaneseが何とかなるセグメントではない。リスニング力は時間をかければ伸びるという能力ではないです。ばっさり切り捨てます。
5割取れればラッキー、最低3割でも落ち込まないイメージ。
語彙と作文が救ってくれます。
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二次試験対策
一次試験を無事合格確認後(インターネットで最速で確認します。)、取り組むことでギリギリ間に合います。私の場合はそうでした。
当時私が高3生の私は、高2で準1級合格した際14日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題 (旺文社英検書)
を一次試験合格後使ったので、定番であるそのテキストの1級バージョンを探しに書店に向かいましたが・・当時1級用は販売されておりませんでした(今は、販売されているようです。14日でできる! 英検1級 二次試験・面接 完全予想問題 (旺文社英検書))。
そこで、代わりに購入した本があります。
英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング
¥ 1,995
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です。当時も(そして今も)英検1級2次試験突破のバイブルです。
英語など(勿論日本語も)論理的にしゃべったことなどなかったので、内容に驚愕しました。
やり方は簡単です。本書から出来うる限りのトピックを取り出し、単語帳(あるいはノート)にトピックとその解答を書きます(論理的に考える練習のため自分で作ります。)。
そして、極めつけがあります。作文のとき作成した表現集も合せて使ってしまう。
1次試験と2次試験の間には時間がありません。新しい表現を覚えている時間的余裕などない。
1次試験英作文の表現をそのまま使ってしまえば、コストベネフィットが限りなく高いです。
私の場合は外人と会話したことが人生でなかったので、「発音」はボロボロです。ゆえにロジックで勝負を仕掛けました。
ここは各個人力をいれる得点源は違うと思います。