新卒1万人 就職支援
今日の注目記事といえば、間違いなく日経新聞1面のこの見出し。
2011年度から厚労省は若年層を対象に大学生や高校生の就職を後押しするため、
支援制度を強化するとのこと。
具体的には、
・「新卒者体験雇用事業」(新卒社を試験的に雇う企業を支援する制度)で企業への
助成額を5~9割引き上げ(*)、対象者を年2400人から1万人超に拡大すること
(*)・・・未就業者を受け入れる企業に3ヶ月間、1人あたり8万~10万/月を支給し、
正社員として雇った場合の奨励金50万円も加えるそうです
と、
・フリーターを正社員として雇用した企業に最大100万円を支給する制度でも、
対象者を25歳未満に広げること
といった強化策が見込まれているようです。
これらに投下される予算規模は、合計で300億~400億円程度の見込み。
国の借金が900兆円 を超える中での施策です。
文科省の調べでは大学生の就職率 が60.8%、実に8万7000人もの人が就職も進学もせずに
居るわけですから、これら若年層の就職支援をするということは、労働力、そして将来の納税
対策のうえでも、欠かすことの出来ない政策ですし、良いニュースであると感じています。
ただ、気がかりなことが2つ。
一つは、「新卒者体験雇用事業」を適用する企業の倫理観。
「3ヶ月間は試用期間だし、補助が出るから雇うけど、その後は知らない」
って考えじゃ、何とも不幸なお金の使われ方です。
そしてもう一つあるのが、やっぱり“付け焼刃”的な政策になってしまわないかの懸念。
ハローワークで就職相談に応じる「学卒ジョブサポーター」も現状より約15%増やし、
100人超とするそうなのですが、この職種も所詮は恐らく年次契約社員。
永くこの職に就いてもらいたいという方針・雇用形態であれば、サポーターの質・モチベーションが向上し、
より良いサービスを提供できると思いますが、就職支援経験のある人たちをスポット的に集めるのみだと
このサポーターの質自体が問われます。
あとは、早い年齢からの「就職」というものに対する意識付けや動機付けの徹底が不可欠な気がします。
3年以内に3人に1人は離職し、終身雇用制度が崩壊しかけている日本において
なんとなしに大学3年になったから就活するじゃなく、
『働く目的は?』
『仕事とは?』
『お金を稼ぐとは?』
といったところを深く掘り下げる必要と言えるし、それらに対する支援制度や助成金が
あっても良いのではないかと勝手ながら思います。
いずれにしても、若年層の就職難は大きな課題・問題ですので、事態が好転することを切に願っています。