愚民政治の象徴である不況時の消費増税 | 日出ずる国の未来のために

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南部 修太郎のブログです。

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 6月26日に衆議院で、民・自・公明の三党合意に基づく消費税増税法案が、363対96の圧倒的多数で可決しました。絶句!信じられない!
 バブル期ならともかく、円高・デフレ不況真っ只中での消費増税が、我が国にとって自殺行為に等しいことは、誰にでも判る愚かなことですね。政治劣化の極みで、愚民政治の象徴と言うべき出来事だと思います。本当に、我が国はどうなってしまうのでしょうか。

 
 野田首相等が消費増税を主張する根拠の一つは、日本財政危機論です。しかし日本の国債(借金)はその95%が国内で購入されており、危機的な欧州諸国とは全く事情が異なります。そのため多くの識者が、日本の財政危機を否定しています。そもそも日本の国債は、世界で最も金利が低いのですが、それはつまり最も安心ということではないでしょうか。
 高国債比率を危機的と煽ることの愚劣さは、日本政府=本社、日本全体=連結決算対象会社と考えれば、良く理解できます。つまり日本政府(本社)の借金は、95%が連結対象の子会社からで、日本全体の連結決算で見れば、借金はほとんどなく、黒字で、経営的には健全なのです。
勿論、大赤字の本社=日本政府の経営は、危機的状況で大問題であり、その抜本的な経営改革は、正しく「待ったなし」なのですが。
 今回の消費増税は、肝心の本社の経営改革はやらず、上納金を増やし(増税)、その場凌ぎをしようというもので、明らかな問題のすり替えであり、許しがたい行為です。「贅沢し放題でお金がなくなったら、弱い民百姓からむしり取れ!」という発想は、安物時代劇に出てくる悪代官のようですね。こんなバカなことをすれば、日本全体の連結決算が一層悪化してしまうことは、容易に推察できることです。そして、多くの識者がそれを指摘しているのですが、野田首相の反論は全くありませんでした。ボケ!カス!
 国債(借金)比率よりもむしろ深刻なのは、我が国の成長力の低下が最近著しく、日本全体の連結決算である経常収支が、年々悪化していることです。つまり今の我が国にとっては、「借金比率の大小」等よりも、円高デフレ不況の進行と、日本の成長力の低下」の方が、はるかに緊急で重大な危機なのです。
 そのため、富を築くプロフィットセンターである子会社を元気にする施策が、緊急の課題で、今出来ることは全てやる位の決断が、政治に必要なのではないでしょうか。例えば、日銀が通貨供給量を増やし、国債を引き受け、資金を提供することが必須だと思います。

 消費増税を主張する野田首相のもう一つの根拠は、社会保障費の増大です。しかしこれも多くの識者が指摘するように、それを消費税で賄おうとしても、今の制度では10%の消費増税等では足りず、とんでもない増税が必要で、結局は問題の先送りに過ぎないのです。
 そもそも消費増税で税収が増えるか否かについても、多くの専門家が疑問を呈しています。消費増税により経済が悪化し、その結果税収が下がれば、どうするのでしょうか。税収増で社会保障費を賄うには、むしろ減税して、国全体の成長力を高める施策の方が有効なのではないでしょうか。
 また社会保障費を減らすための、自立できる環境づくりも大事な政治の課題だと思います。例えば最低生活保障費の支給等は、外国の事例のように、可能な公的な仕事を義務付ける等の改革が必須ではないでしょうか。つまり社会保障費の増大に対しても、多くの課題が放置されたままで、結局は、安易に問題をすり替えているだけなのです。

 今回の野田首相等の行為の最大の問題点は、このように多くの識者から、その主張の根拠を全面否定されているにも係わらず、それ等を一切無視し、衆愚による数の力を頼りに、問答無用と採決を強行したことです。かつての独裁専制政治を彷彿とさせる出来事でした。一応は論議をしたというポーズは作っていましたが、いろんな意見に真摯に耳を傾け、議論し最適な政策を決めようという意志が、全く見られませんでした。野田首相の目は空ろで、確かに、財務省に洗脳されたロボットのようでした。 
 それにも係らず、今回の消費増税法案の可決を、野田首相やマスコミは「決める政治」と自画自賛です。しかし金子慶大教授の言うように、決して国民は「愚かな政策を、思考停止して、問答無用で決める政治」を求めているのではありません。知恵を出し衆智を集め、世の中をより良く改革する政治」を求めているのです。

 更に今回の消費増税は、民・自・公明の三党合意により、上記の目的以外の様々な公共事業にも使えることが明記されました。政権交代以前にあれ程批判された税金の無駄使いを、また始めようとしているのですね。ホンマに懲りんナ!呆れるワ! 
 そもそも今回の政権交代の主要な目的は、多額の税金を集め、官僚がそれを再分配するという現在の官僚主導差配システムが、多くの税金の無駄使いを引き起こし、破綻が明確になったため、それを改革することでした。そしてそのためには、欧米のように寄付を税額控除できる寄付税制の導入や、経済成長力を高めるためのエンジェル税制の導入、更には民間資金の公的活用を促進するための新しい公共の仕組み作り等、増税よりむしろ様々な減税のための諸施策が最優先課題だった筈ですね。現民主党政権は、問題の本質をまるで分っていないようです。

 しかし最大の責任は、こんなバカな国会議員ばかりを選出した我々国民にあるのではないでしょうか。だから次の選挙では、我が国の緊急課題を放置し消費増税に賛成したバカな国会議員達は、全員、必ず落選させる必要があります。「党議拘束でやむを得ず」等の言い訳は、聞く必要はありません。日本の未来より、党の規律を重視するような政治家は、スティーブ・ジョブズ流にいえば、しょせん“糞”なのですから。
 次の選挙は、上記の消費増税反対の他にも、脱原発推進やTPP参加反対に加え、小沢問題対応への言動など、信頼できる国会議員の選別判断基準が明確で、人材の見極めが極めて容易なのが特徴です。今度こそ、国会議員選別の判断を間違えてはいけません。今度間違えれば、それこそこの国にもう未来はないかもしれないのですから。

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