「遅すぎる円高&デフレ対策」 | 日出ずる国の未来のために

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南部 修太郎のブログです。

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 2011年の貿易収支が、48年ぶりに赤字に転落しました。またソニーやパナソニック他、多くの優良企業の決算が、今期は軒並み大赤字に転落し、更に追い打ちをかけるように、国策半導体メモリー会社のエルピーダも、総額5000億円弱もの史上最大の負債を抱えて会社更生法を申請しました。
 最近の極端な
円高&デフレが、これ等の業績悪化の大きな原因の一つであることは間違いありません。野田政権と日銀の恐るべき無能さが、遂に憂慮すべき事態を招いてしまったのだと思います。もはや製造業の海外シフトは止まらないでしょう。
 しかしこれほど明確に日本の産業崩壊のシグナルが上がり、危機が表面化しているのに、日銀総裁も政府財務省も、誰も真剣に
円高&デフレ対策を考えている様子はありません。またマスコミもそれを批判するする気配はなく、危機感は全く感じられません。むしろ増税を煽り、日本が滅亡に向かって疾走するのを加速しているようです。本当に、今後日本はどうなってしまうのでしょうか?
 一般に国力が高くなるにつれ円高が進み、より安い製造コストを求めて製造業の海外シフトが進むのは歴史の必然です。ただ海外シフトには大きな投資が必要なため、一旦海外シフトすれば、その後、余程の円安にならない限り国内への回帰はあり得ません。まだ海外シフトする体力のある企業は幸せです。その体力のない中小企業は廃業せざるを得ず、その結果、多くの優れたモノ造りの技術は完全に消失してしまうでしょう。
つまりこれまで日本を支えてきた製造業が崩壊し、日本に残るのは、結局、公務員と流通・サービスだけになってしまうのではないでしょうか。円高・デフレの放置が、結局、雇用を収縮しギリシャ化を加速していることを、野田首相は全く分っていないようです。
 
 国内製造業の空洞化に伴うギリシャ化を防ぐには、一日も早く我国の産業構造を、その高技術力を活かして高付加価値産業構造に変革し、製造が海外シフトしても所得収支で稼げる構造に進化させることが必須です。
つまり国内は新産業を興す高度な研究開発業務に特化し、その製品製造を海外で行っても、収益が上がる構造に変革する必要があります。そしてそのためには、一日も早く、新産業創出に効果的なベンチャー等の仕組みを日本に創ることが必須なのです。
 この変革の重要性は、もう20年以上も前から、多くの識者によって語られ、政府もその重要性はよく理解していたようです。そのため
この20年間で100兆円もの巨額の資金が、この新産業創出活動を目的に、科学技術振興費や産業振興費として投じられてきました。しかし政治家や役人の無能さの故に、同じ失敗を繰り返しただけで、その投資に対する効果は低く、結局、日本の産業構造の変革はほとんど進んでいません。そして日本が無為に過ごしてきたこの20年の間に、アジアや世界の経済は着実に進化し、今、恐れていた大嵐が、一気に津波のように、どじょう頭の野田首相率いる日本を襲っているのです。
 もう待ったなしの大変革が、日本の全てに渡って必要です。しかしこの大改革には、現在の政治や行政の無能さでは、とてつもなく時間がかかるでしょう。だからその時間を稼ぐために、今、円高阻止が、何としても必須なのです。
 
 では円高を阻止するには、どうすればよいのでしょうか?一時円高の原因は欧州危機であり、仕方がないのだとの見解がマスコミを賑わせていました。とんでもない話です。
今回の極端な円高は、実は日本の愚かな金融政策がその直接の原因なのです。
 リーマンショック後、米国も中国も韓国もほとんどの国は、その危機克服のため、通貨供給量を3~5倍に増やす政策をとりました。しかし愚かにも日本だけが通貨供給量を抑える施策をとったのです。これでは世界の通貨供給量に大きなアンバランスが生じ、円高にならない方が不思議です。またその日銀に対し、通貨供給量の増大を強く要請すべき民主党政権も、呆けたようにただ円高を傍観していただけでした。だから今回の円高は、通貨供給量を増大し、経済成長効果のある投資拡大をすれば、簡単に阻止出来る筈なのです。

  
 日銀が通貨供給量を増やさなかったのは、ハイパーインフレを恐れたからのようです。つい大声で、叫びたくなります。エー? 今はデフレやろ!
 通貨供給量の増大がハイパーインフレを誘発するのは、健全で建設的な資金使途がなく、余剰資金がマネーゲームや土地に向かうときではないでしょうか。しかし今の日本には、1)震災・原発、2)高付加価値新産業の育成、3)欧州危機の対応資金、3)日本経済のグローバル化に向けたインフラ整備等、莫大な建設的な資金需要があります。
 2月14日にようやく日銀は、米連邦準備理事会(FRB)が1月に実施した金融政策に後押しされ、恐る恐る量的緩和規模の若干の拡大と1%のインフレ目標の設定を実施しました。それはFRBの2%のインフレ目標に比べて、
円高&デフレに喘ぐ日本が採るべき施策としては、あまりに拙速かつ消極的でした。しかしそんなチンケな施策でも、円高は底を打ち、日本経済にもかすかに生気が蘇るなど、日銀による通貨供給量拡大の効果が極めて大きいことを改めて証明しました。何でもっとやらんのや!ボケ!

 円高・デフレ対策は、一刻を争う緊急の課題なのに、対応が遅すぎます。怒、怒、怒!見えない陰に恐れおののき、ひたすら縮こまるだけの硬直化した原理主義者には、この激動の時代を生きるリーダの資格はありません。日銀&政府は一刻も早く、せめて2%のインフレ目標を設定し、円安とその目標の実現に万全の手を打つべきではないでしょうか。
 国家の危機に際し、様子を伺うだけの無為無策は、一層その危機を増大させることになり、犯罪行為に等しいと思います。多分、このままでは、野田首相と白川総裁は、国家を危機に晒した無能な犯罪者として、歴史に名を刻むことになるのではないでしょうか。

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