理想の家族 | 陣内俊 Prayer Letter -ONLINE-

理想の家族


ファビオさんのところにいます。

街の名前はカンボリオウといって、

人口は6万人ぐらいの小さな街。



多分日本で手に入る地図には乗っていないんじゃないかな。

多分だけど。

そしてこの街に来た日本人は、

この50年で5人もいないんじゃないかと思われる。

外国人が来る理由がない。

ホテルもない。




アメリカ人の宣教師を通して、

ここに住む日系の宣教師家族を紹介されて、

ホームステイをする、

もしくはブラジルで「ダーツの旅」を敢行し、

見事この街にダーツが的中したのでなければ、

あまりこの街に滞在する理由が見つからない。

観光ガイドには、

オンラインでもオフラインでも載っていないし、

ビジネスを展開するには街の規模が小さすぎる。

バックパック旅行をするには幹線道路から離れすぎているし、

列車の駅もない。




でもここは、住みたくなっちゃうぐらい、

素敵な街です。

サンパウロやベロオリゾン、

リオデジャネイロといった大都市と違って、

空気がきれいで自然が残っている。




近くには牧場がたくさんあり、

ファビオさんたちは朝牧場に行き

しぼりたての牛乳を買い、

それでチーズを作って食べたりしている。




「(土地に)惚れてまうやろー!!」


 




さらに、車で5分ぐらい行くと海がある。

大西洋を臨む。

ずっと向こうにはアフリカの海岸がある。

見えるはずはないけれど。

海はきれいで、

砂浜の砂はファインパウダーのようだ。

サーファーたちがサーフィンを楽しんでいる。




「惚れてまうやろー!!」









なんだこの理想郷は。

もちろん住んでみたらわかる、

いろんな不便もあるんでしょうが。




でも少なくとも、

ファビオさんたちは3年間ここに住んでいるが、

めちゃくちゃ気に入っている、

と言っていた。




でしょうね。




ファビオさんたちの家族は、

ある意味で「理想の家族」だ。

もちろん家族には「型」などなく、

家族の数だけ正解があるんでしょうけど、

子どもたちを聖書の原則に従って育てていて、

家の中に秩序と明るさと主を敬う文化があって、

何より子どもたちがべらぼうに賢い。




賢いというのは、

偏差値が高いという意味ではない。

賢いのだ。知恵がある。

どうやったらこんな子どもたちが育つんだろうか?

本当に純粋に不思議に思う。

僕の師匠ボブモフィットも彼らと知り合いなんだけど、

世界中であんなに素晴らしい子どもたちは見たことがない。

私ももっと若いうちに彼らに出会って

彼らから子育てを学んでおけばよかった、

と本気で思っている、
と言っていた。




子どもたちの知恵は、聖書から来ている。

正確には、聖書を生きて、

聖書を積極的に教えようと献身し、

それを人生の優先順位の最高位に置く、

ということを決意し一貫して実践した、

両親から来ている。

教会に強制的に子どもを連れて行き、

家の中に聖書を置いておくだけでは、

絶対にこんな子どもたちは育たない。




10歳になる長男のジョシュアは7歳のときに聖書を通読し、

これまでに4回聖書を通読している。

8歳の次女のドミニクは、

やはり7歳で聖書を通読し、

今は自分で小説を書いている。




彼らは抑圧されて従順なのではなく、

自分の中に「善悪の判断基準」を持っていて、

意図的にそれを選んでいる。




大人でもそれが出来ない人が多いのに。




こういう子たちが成人し、

社会に出ていくことが、

未来の社会の基盤を強めることになる。

これが私たちが世界に出来る最大限の貢献だ、

とファビオさんたちは確信し、

ゆるがない決意とともに、

真剣にそれをしている。




「自分の子どもを弟子化できずに、

 どうやって社会を弟子化できるんだ。」




とても理にかなっている。

ミニストリーよりもはるかに大切で、

そしてミニストリーの土台として、どこかでつながっている、

大切な実践を現場で学ばせていただいている。

計り知れない大きな恵みだと思う。

神様ありがとう。




これも皆さんのお祈りのお蔭でもありますので、

いつか、どんな形でかは分かりませんが、

そしてどれぐらいの時間がかかるかは分かりませんが、

受けた益を日本の社会とみなさんにも還元できたら、

と夢見ています。