昨年度に引き続き、大分県日田市で開催した演劇×ダンス×ゲームのワークショップ「おもコラどんどん」(面白いコラボレーションをどんどんしよう!の意味)ですが、今年度の実施が先月終了しました。




女優の高野桂子さんとダンサーの小笠原萌さんとボードゲームクリエイターの私、津村修二の3人で企画した、小学生を対象にしたワークショップです。
それぞれ分野も性格も異なる3人が合わさって(この時点ですでに私たちがおもコラですが)、一緒にああでもない、こうでもないと考えて作り上げたプログラムです。

今年度は前津江公民館、大山公民館、羽田多目的交流館、上津江公民館の4か所で開催しました。昨年度は日田の相撲の神様・日田どんをテーマにしたすごろくや宝探しを作って遊びましたが、今年度は特定のテーマを設けず、新しい遊びを作るプログラムを企画しました。具体的に言うと、グループに分かれて、新しい遊びを考えて、それを試して遊び、改善しながら、より面白い遊びにしていくというものです。果たして遊びを作るなんて難しいことが出来るのだろうか、そうした心配をよそに日田の子どもたちは伸びやかな発想で、みんなで知恵を出し合って見事に新しい遊びを作っていました。どれもアイデアがいっぱいで驚きました。これは凄いことです。

新しい遊びを生みだすって、本当に大変なことなんです。私もオリジナルボードゲーム「Amen」のルールを考案するまでとても苦労しました。それは「Amen」に限ったことではなく、これまでのゲーム作りだって同じ。その過程には試行錯誤があって、苦労なしに出来ることなんてありませんでした。

しかし、そんな苦労をしてまでなぜやるかと言えば、純粋にゲームが好きで、ゲームを作ることが好きで、そして自分の作ったゲームで楽しそうに遊んでいる人を見るのが好きだからです。遊んでいる人の笑顔はそれまでの苦労を一瞬で吹き飛ばしてくれます。今度はこんなゲームを作ろう、もっと面白いゲームを作ろう、そんな前向きなエネルギーを私に与えてくれます。この感覚は子どもの頃から何一つ変わっていません。

子ども達にはこの生みの苦しみと、そうやって自分が苦労して作ったものを人に楽しんでもらうことの喜びを感じてもらえたらと思います。人に楽しんでもらうって、すごく想像力が必要なこと。どうしたら人が楽しい気持ちになるか考えることは、他人に対するまなざしの深さであるし、そういうことが想像出来るようなきっかけになればと思います。

それから、作った遊びがつまらなかったとしても、ちょっと視点を変えたり工夫したりすれば遊びはうんと面白くなります。それを体験として経験することで、この先に起こる困難や壁にも、同じようにあきらめず、工夫して乗り越えられるようになってほしいです。失敗も恐れないでいてほしい。そして、一人で乗り越えられない時は仲間の知恵を借りることも忘れないでほしい。自分では考えもしなかった新しいアイデアに活路が見出されることもありますから。それこそがコラボレーションの真髄。力です。

長くなってしまいましたが、この「おもコラどんどん」では非常にたくさんのことを学ばせてもらっています。縁あってこんな活動が出来て、大変ありがたく思っています。
日田の子どもたち、公民館の方々、アシスタントの皆さん、それから高野桂子さん、小笠原萌さんの二人に感謝します。ありがとうございました。