晴れ「最強の人生指南書」齋藤孝著より。シラー

かつて「想定内」という言葉が流行ったものだった。2005年の流行語になったのは、当時のライブドア社長だった堀江貴文氏が使ったからだった。

記者の質問に対して「想定内ですから」と落ち着き払って話す姿には動揺も感じさせなかったものだ。それが本当かどうかはわからないが。

いずれにしても、対処法は事前に考えていたという意味だろう。実際にそれができていれば動揺もしなくて済むものだ。つまり、そんなことは起こりうることだと予想していたということだ。

それができれば、実力も発揮しやすいのは確かだ。ここでのテーマは「予測力が実力を左右する」だった。スポーツの世界ではファインプレーに見えるものは、本当のファインプレーではないという。

野球なら、打者の打球の方向をあらかじめ予測してその位置で守備をしている場合は「よくぞそこにいた」となるのだろう。それこそが、本当のファインプレーで、そんな予測ができるのも実力があるからということだった。