晴れ「不完全な時代」坂村健著より。イージー教会携帯

サブタイトルには、“科学と感情の間で”となっている。また新書の帯には「どう生き抜くか」ともあった。つまり生きにくいこの時代にどう考えていくべきだろうかという提言が述べられている。

そこで筆者が実感していることの一つは、フレーズにあげたようなことでもあった。ここでの小タイトルは“制度設計のプロを育てる”とあり、技術は大事だがそれと同程度かそれ以上に、その技術を社会につなげるための制度設計も重要なことだと述べいてる。

その例として、日本のAVメーカーでもあるソニーがアップルの音楽プレーヤーiPodに圧倒的な差をつけられたことがあった。それは技術よりも流通方式の改革、ネットワーク時代の著作権をどう考えるかという制度問題で差をつけられたことが実際だったようだ。

今後のイノベーションには、将来の制度設計のプロである文系学生を鍛えていくことも大事なことになってくる、というのが坂村氏の主張だった。さて、コミュニケーション能力を考えると、やはり若いうちにより多くの困難を乗り越えたということが生きているようだ。多くの経験は人を成長させ、また説得力も異なるのだろう。