晴れ「アメリカ型成功者の物語」野口悠紀雄著より。シャイコンピュータ角帽

19990年代の半ばに、ジェリー・ヤン(当時26歳)とデビッド・ファイロ(当時28歳)の趣味がビジネスになっていた。そのとき会社名をつけるため、二人はYAで始まる言葉を辞書で調べたのだ。

YAにこだわった理由は、当時のコンピュータ業界では、“Yet Another”(もう一つの)という言葉が新しいソフトの頭文字に使われていたからだった。そして、辞書で「Yahoo」を見つけて、会社名を「Yahoo!」にしたという。

さっそく、手元にある古くて分厚い英語辞書で引いてみると確かに見つかった。「ガリバー旅行記」に登場する人間に似た愚かな動物のことらしい。不作法者ともあった。これはちょっと驚きだった。

ヤフーにしても、グーグルにしてもスタンフォード大学の大学院生が、なかば趣味で行っていたことがその後、世界的なビッグビジネスに発展したものだったのだ。

インターネットは彼らが作り上げた検索エンジンがなければ、実に使いづらいものだったろう。これがインターネットの水先案内人というわけだった。

いつの時代も人が必要とするものを作り上げた人は成功するものだな。たとえそれが個人的な趣味から始まったものでも。