「聖林寺十一面観音立像 「光」結縁(けちえん)の会」の皆様へ完成供養、展示のお知らせ | 奈良 聖林寺ものがたり

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奈良の聖林寺 国宝十一面観音立像の光について
四十年来光背(光)の研究をしています。

聖林寺のブログやその他、奈良の観光案内書にも簡単に乗せておりますが、「光」復原の完成図面が西陣織になり、11月の一ヶ月間の間、聖林寺の観音堂にて、展示させていただくことになっております。

11月1日、午後1時半より、完成の法要 も聖林寺ご住職により執り行われます。
その法要の時は観音様のうしろに「光」を掛けていただきます。天平のお姿が立ち現れますように。祈りが届きますでしょうか。

全国から、ご支援を頂き、西陣織にしたてる三百万円の費用が無事集まりました。皆様有難うございました。西陣織の方では、予算を越えてしまいそうなのですが、「結縁の会」の主旨を理解していただき、何とか努力され、納めていただけそうです。

実は、今日、西陣織の方と、聖林寺観音堂で最終の打合せが終わりました。試し織物を幾つかのパターンで作って頂きました。細かな私の筆の動きを忠実にひらってくださり、私も大変安堵いたしました。織元の方の手作業は膨大なもので、大変ご苦労お掛けしたと思います。この最終確認で、あとは機織りの機械と職人さんが頑張ってくださり、10月末に完成のようです。下仕事に大変時間が掛かりました。

11月のあとは、またご住職と話し合って、どのように展示していくか決めて頂きたいと思います。なにしろ大きな作品なので、どこにでも架けられません。
いつの日か、常設でかけていただけるようにと、願っております。それを契機に、桧の透かし彫り金箔造りの「光」が観音様のうしろに立ち上がりますよう、何百年後でありましょうと、待ち続けたいと思います。

また、10月27日(月)~11月1日(土)東京神田神保町  文房堂4階ギャラリーにて、「光」復原の下図を展示いたします。これは毎年、西村公朝先生を囲んで弟子達が開いている「祈りの造形展」の会場です。公朝先生はすでに亡くなられましたが、必ず会場にお出でになると信じ、神妙に天からの声をお聴きするつもりです。もしご注意が聴けたら、しっかり、後輩達へ、若い小さな人達へ繋げていきます。一旦私の「光」は終了です。

昔、二十歳を少し過ぎた頃、「それは、それなりの仕事ができるから、お勉強を続けて頑張りなさい。」と大きな仏壇の前で占ってくださったあの方に、今感謝。それからは、とれほどの方々の励ましや応援を受けてきたことか、まずは身近な家族に感謝。それから、ご縁を頂いた全ての方々へ、深く深く、これからの生涯をかけて感謝申し上げます。


今日の最終打合せが終わらなければ、正直、大変落ち着かない日々でした。
ご報告が遅れましたが、西陣織のかたに、「なにしろ人の手仕事なので、時間がかかりますが、お許しください」と言われました。それからは、職人さんにご苦労お掛けしていますと感謝の心で、待たせて頂きました。これからも大変ですが大丈夫でしょう。日本の職人さんのお仕事に全幅の信頼を置いています。

今年、奈良へのご都合がつかない方々へ、また必ず展示のお知らせが、できますように努力いたします。取り急ぎお知らせ申し上げます。