【ニュース】ハドソンに学ぶiPhoneアプリの難しさと“次の手” | 『iPhone』オススメ情報-.JP-

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「1アプリ1単価に限界」――ハドソンに学ぶiPhoneアプリの難しさと“次の手”

「当たった時の売り上げの規模は非常に大きいが、当たる“幅”は狭くなってきている」――。
価格設定、無料アプリからの誘導、アドネットワークなど、さまざまな策を講じてiPhoneアプリを展開してきたハドソンが感じた「限界」と、期待を寄せる「次の手」とは何か。


モバイルコンテンツに「大きなチャンス」 ただし課題も
携帯電話の販売が伸び悩む中、スマートフォンのシェアがじわじわと上昇している。
柴田氏もこうした状況に注目しており、「日本はやや特殊だが、世界的には今後3年間で携帯電話はスマートフォンが中心になる」と予想。
「少なくとも、この1、2年で30パーセント前後のシェアになるのはほぼ間違いない。
スマートフォンはインターネットの利用頻度が圧倒的に高いので、30パーセントのシェアでもモバイルインターネット全体を左右する」と、スマートフォンにコンテンツを提供する重要性を説いた。

また、スマートフォンの広がりや通信網の整備により、国外であまり重視されていなかったモバイルコンテンツが、「やっと世界規模で注目されてきた」という。
今後はiPhoneやAndroid端末向けの「モバイル勝手サイト」ビジネスが世界規模で飛躍的に拡大すると柴田氏はみている。
「日本で成功したモデルは、かなりのレベルで海外にも展開できるのではないか」とも語り、海外市場の変化に大きな期待を寄せた。

とはいえ、海外進出には大きな課題も残っており、国内の成功モデルをそのまま展開することは難しそうだ。
まず同社が「直面している」というのが、ローカライズやカルチャライズの問題。
「iPhoneアプリを27個リリースし、いろいろなことで海外のお客様から叩かれ、胃を痛くしながら直している。その際に、ローカライズやカルチャライズの重要性を強く感じる」(柴田氏)。

さらに勝手サイトビジネスを展開する上では「課金スキーム」もボトルネックになるという。
海外キャリアが提供する課金モデルは中間マージンを多く取られ、収益に結びつきづらい。
一方で独自の課金スキームを設けるにもノウハウがなく手間がかかる。
同社は、BlackBerry向けのアプリストア「BlackBerry App World」が登場する以前に独自マーケットを用意しようとした際、「課金をどうするのか調べるだけで、非常に苦労した」のだという。
「いかにやりやすい課金スキームを見つけるか、ノウハウを手に入れるかが海外展開のキーになる」(柴田氏)


iPhoneアプリはゴールドラッシュだが……
こうした状況の中、端末の操作性やビジネスモデルにおいて「どの端末メーカーもキャリアも追いついていない」と柴田氏が評価するのがiPhoneだ。
同氏の予想より半年早くアプリ内課金が導入されるなど、進化のスピードにも舌を巻く状態だという。
App Storeの登録アプリも増加の一途で、その数は今や10万本を突破。
「まさにゴールドラッシュ」と同氏は表現する。

しかし、ライバルの増加によってビジネスは厳しさを増しており、「当たった時の売り上げの規模は非常に大きいが、当たる“幅”は狭くなってきている」のが実情だという。
App Storeではアプリの価格が自由に設定できるため、「すべてが価格競争に流れてしまう」傾向も顕著だ。
同氏の調べによれば、アメリカのApp Storeにおけるある週のトップ10のアプリ平均価格は1.29ドル――。
同社のアプリにおいても、「『ネオサメガメ』は有料では1万ダウンロードを超えなかったが、無料にすると200万ダウンロードに伸びた」と柴田氏は苦笑いする。
さらに、個人や小規模な開発メーカーが低価格なアプリを出す中で、大手企業がコストを管理しながら戦う難しさもつきまとう。
「1アプリ1単価のモデルには限界があるというのが、我々の結論」(柴田氏)

一方、無料版から有料版にユーザーを誘導する手法も多く見られるが、こちらも簡単には成功しない。
柴田氏は「『エレメンタルモンスター』をはじめ、いろいろと無料からの誘導を試したが、0.99ドルの最低価格以上にするととてつもなく誘導率が下がる」と厳しい見方を示す。

さらなる施策として17タイトルをアドモブのアドネットワークに対応させたものの、「一般的なWeb広告媒体と同程度の効果」というのが柴田氏の実感。
有名タイトル「ボンバーマン」の誘導広告には大きな効果があったが、それ以外のタイトルでは誘導率はそれほど高くないという。
ユーザーの購入したアプリとジャンルの近いアプリ広告を表示すると誘導率が高まり、「土日にコンバージョン率が高まる」といった傾向もあるようだ。

また、コミュニティでユーザーを囲い込み、作品の話題性を長続きさせるために“ソーシャル対応”も試みている。
DeNAの出資企業Aurora Feintが提供するソーシャルゲーミングプラットフォーム「OpenFeint」をボンバーマン TOUCHなどに実装し、さまざまなアチーブメント(達成度に応じてアイテムや称号といった得点を与えること)に対応させた。
OpenFeintは「デバッグからチェックまで、全部込みで3日で組み込めた。機能が盛りだくさんなわりに組み込みが楽なので、開発者に喜ばれている」という。


ハドソンの次の手は“フリーミアム” プラットフォームを超えたオンライン対戦も
こうした試行錯誤のすえ、同社が今後の戦略として注力するのが“基本無料のポイント課金”――いわゆる「フリーミアム」のビジネスモデルだという。
その第 1弾として「うまくいけば年内にリリースされる」というのが、オンライン対戦に対応した麻雀アプリ「ネットジャン狂」だ。

同ゲームはApp Storeでのダウンロードに加え、ローカルでの対局、1日1回のオンライン対戦(半チャン)が無料。
ただし、1日1回以上のオンライン対戦にはアプリ内課金が発生する。
ユーザーは100ポイントを100円で購入し、1回の対戦につき30ポイントを消費する仕組みだ。
ランキングや上がった役のリストを提供してユーザーのやる気を刺激するほか、メダルをかけた対戦もできる。

さらにオンライン対戦を盛り上げる大会などの各種イベントを催すとのことで、柴田氏は「できれば週1回ぐらいのペースで仕掛けていきたい」と、運営にかなりの力を注ぐ心構えだ。
「運営は我々のような会社の最も強力な武器の1つ」とも語り、大手メーカーならではの差別化ポイントとして期待を寄せる。

また、来春にはオンライン対戦がプラットフォームを超えて楽しめるようになるという。
「ネットジャン狂はアプリ側にグラフィックのデータしか持たせていないので、iPhone以外のプラットフォームにも簡単に移植できる。コストの面や複数のプラットフォームに素早く展開することを考えれば、今後はサーバを中心としたコンテンツ配信になるのでは」と柴田氏はコメント。
同社は今後、追加課金モデルを軸としてタイトルを配信していくという。

2010年3月までは追加課金対応のアプリをさらに2タイトルリリースし、春以降には「非常に大きなコンテンツ」の発表が控えているなど、具体的なロードマップもすでに敷かれている。
とくに春以降のタイトルに関しては、「これができたら、“ネトゲ廃人”がやめられなくなるのでは」と自信を見せる。
作品のヒントとして柴田氏は同社のファンタジーMMORPG「Master Of Epic」の名を上げたが、「それだけではない」という。

社員20人のiPhoneアプリ開発企業Tapulousが、月間売り上げ100万ドルに近づいたなど、企業規模を越えて成功のチャンスがあるかに見えるiPhoneアプリビジネスだが、柴田氏の講演では企業が従来モデルでアプリ事業を続ける難しさが浮き彫りになった。しかし、ネット対戦をフックに追加課金を導入し、クラウド化によってプラットフォームを超えた対戦が楽しめる「ネットジャン狂」には、新たなアプリビジネスの可能性を感じる。


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