【ニュース】iPhoneアプリ販売の現実 あのアプリは幾らもうかっているのか? | 『iPhone』オススメ情報-.JP-

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ITmediaさんの記事より抜粋です。

iPhoneアプリ販売の現実
現在、10万本を超えるアプリがAppStoreでリリースされています。
弊社もiPhoneの魅力的な市場に挑戦してみようとAppStoreのオープン時から現在まで、9本のアプリをリリースしており、現在も5本以上を開発中です。

弊社の場合、比較的競争相手の少ない分野、例えばプレゼンテーションアプリやアウトラインプロセッサなど、ニッチかつ高価格な領域のアプリを中心に据えているため、収支全体で見れば黒字です。
しかし、周囲のアプリ開発者を見ると収支でプラスにするには相当な努力や幸運がないと難しいという声をよく聞きます。

また、日本製のアプリは日本国内だけでヒットすることが多く、それだけだとなかなか厳しいのも実情です。

iPhoneアプリの価格はどうやって決定するのか
iPhoneアプリの価格を決めるのは非常に難しい作業です。
初期に流行したのは、リリース後数日間は115円という最安値に設定し、数日後に値上げするという方式です。
しかし、値上げした途端にダウンロード数が下がるので、値上げのタイミングが難しく、なかなかうまく利益を出せなかったようです。

次に流行したのは、最初から高い値段設定でアプリをリリースし、少しずつ値下げしていく手法です。
これはできるだけ早く資金を回収し、もうけられなくなったら投げ売りするというやり方で、初期に定価で購入したユーザーから批判されることが多く、こちらもうまく行っている例をあまり聞きません。

そもそも、時間が経っていればアップデートもかかるわけですし、機能追加もあるはずで、まだユーザーからのフィードバックを受けていなかった初期のアプリよりも、何回かアップデートしたアプリの方が価値は高いはずです。にもかかわらず、後から値段が下がるということは、その開発元はそれ以上そのアプリにエネルギーを注がないと宣言したも同然で、初期の価格を支払ったユーザーにしてみれば、裏切られたような気分になったとしてもおかしくありません。

こうしたユーザー心理を考え、弊社では値下げを一度もしたことがありません。
UEIが採用しているのは、最初から高価なアプリを開発し、しばらく価格を維持した後、逆に値上げするという方法です。
この方法の利点としては、値下げしないことで、「本気で使いたい」というアクティブなユーザーをターゲティングできることがまず挙げられます。

その代わり、こうしたユーザーからはいろいろと難しい要望をいただくこともあります。
われわれの思いもよらなかったような活用法や、アイデアを次々といただくことがあります。
そういう要望に対応する原資を、価格に反映させるのです。
その代わり、初期にこのアプリを買ってくださった方には、無料のバージョンアップを保証し続けることで、アプリを一緒に育てていくことができます。
そうして得られた成果は、アプリの価値を純粋に高めることになりますから、価格に反映させます。

この戦略をとったアプリはランキングからは軒並み姿を消しました。
しかし、一定のファンを獲得し、売り上げとしては確実に伸びています。
結果的に、弊社で最も高収益なのはこうしたアプリなのです。

ただし、この方法がすべてのジャンルのアプリに適用できるとは思いません。
これは、プロダクティビティ(仕事効率化)アプリという、直接的にユーザーのメリットを産み出す可能性をもったアプリだからこそ可能なことで、ゲームや玩具的なアプリでまったく同じ戦略を適用することはできないでしょう。

アイデア一発勝負の100円アプリはランクインが必須
AppStoreの大半を占めるのは、こうしたプロダクティビティアプリではなく、一回起動してもうおしまい、といった趣のある「ジョーク」アプリです。
ジョークアプリの大ヒット作といえば、やはり「iBeer」でしょう。
350円という強気の価格設定ながら全世界で大ヒットを記録したことから、世のアプリ開発者たちに大きな衝撃を与えたのではないでしょうか。

現在、ジョークアプリを意図的にヒットさせるのは、天文学的に難しくなっています。
また、その性格上、価格を安くするしかないので、最安値の115円で粘るわけですが、115円でも目立ったアプリにできる可能性は非常に低いといわざるを得ません。

UEIでは今年のお正月にはじめて、そして唯一のジョークアプリをリリースしました。
i書道」というアプリで、iPhoneで書道を再現するというものですが、お正月リリースという幸運もあって運良く日本のAppStoreでその週に最も売れたアプリとなりました。

この時の肌感覚として、115円のアプリが日本のAppStoreでダウンロード数1位になると、だいたい収入が数百万円入ってくることが分かりました。ということは、115円のアプリの開発費は100万円以下でなくてはなりません。
しかし、100万円稼ぐのもそう容易なことではないので、低価格路線で勝負するメーカーはどこも苦しそうです。

たとえ1位にならなくても、25位以内に入れば、そこそこ高価なアプリでも数千から数万のダウンロードが見込めるので、その辺りでバランスを取る可能性もあります。

UEIの場合は、比較的初期の段階からiPhoneアプリに参入していたので、累計で数千万円の売り上げにはなりましたが、会社全体の売り上げに占める割合としては決して多いとはいえません。
また、投資した金額を回収するという観点からすると、非常に微妙な状況であることは今も変わっていません。

すなわち、iPhoneアプリはまだ発展の途上にあるということです。
とはいえ、国内でも3GSの発売以降、存在感を日に日に増してきているiPhoneですから、単純に母数が増えているとも考えられます。

iPhoneOS 3.0へかけられた期待と意外な罠
ところで、iPhone 3GSの発表と同時に、iPhone OS 3.0も発表されて大きな注目を浴びました。
ビジネスモデルとしての目玉はなんといってもIn-App-Purchase、すなわちアプリ内課金です。
アプリ内課金といえば、日本の携帯電話でもサポートされたのはつい最近ですから、Appleのキャッチアップのスピードには目を見開くばかりです。

当初、アプリ内課金は有料アプリのみ利用可能とされていたため、あまり利用が進まなかったらしく、10月から無料アプリでもアプリ内課金が解禁されました。

ところが意外なわながあったようです。

アプリ内課金を利用するには、iPhone OS 3.0が必要ですが、このiPhoneOS 3.0への移行が、思ったほど進んでいないようなのです。
これは以前から指摘されていたことでもあるのですが、大半のユーザーはiPhone OSのアップデートが発表されてもそのパッチを適用する人はめったにいないようなのです。

筆者は昨年、パリで開催されたAppleExpoにブースを構え、欧州のiPhoneユーザーたちと話をしたのですが、AppStoreを利用できるiPhone OS 2.0にバージョンアップしていないユーザーが大多数でした。AppleExpoという、いわばApple信者の集まりですらこれですから、一般ユーザーへのiPhone OS 2.0以降の普及率は推して知るべし、でしょう。Appleが全世界で盛んにアプリをアピールするCMを打っているのも、実は「こんなに素晴らしい世界があるんだから、どうかiPhoneOSをアップデートしてくれ!」という叫びなのかもしれません。

つまり、アプリ内課金は、確実にiPhone OS 3.0を搭載しているiPhone3GSのユーザーだけが当面はターゲットユーザーということになります。
もちろんiPhoneが売れ続ければ、いずれ iPhoneを買い替える人も出てくるでしょうが、iPhoneの5000万台という数字には、第一世代のiPhoneを購入したユーザーが iPhone3G、iPhone3GSを重複して購入したり、iPod touchを追加購入したりしている分も計算に入れるべきです。

そうすると、実際のところ、iPhoneの実ユーザーは全世界で2000万人から3000万人といったところではないでしょうか。それでも日本なら、小さいキャリアに匹敵するユーザー規模です。

さらに、無料アプリでも課金できるようになったことで、事実上、有料アプリと無料アプリのランキングが空洞化するおそれが指摘されています。
このランキング問題は実に頭の痛い問題で、これそのものはApple自身も悩んでいると思います。

AppStoreはほかにもアプリが検索しにくいことや、10Mバイト以上のアプリはWiFi経由でないとダウンロードできないなどの制約があり、お世辞にも使いやすいとはいえません。
それでも細かく改良されているところを見ると、Appleは少なくともAppStoreの性能改善をキチンと考えているのだと思います。

iPhoneアプリをビジネスとしてとらえたときに、最も難しい話題の1つが、プロモーションです。
次回は、iPhoneアプリのプロモーションについて、幾つかの方法を実践した結果を交えて紹介します。


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