江戸時代、醤油があったにもかかわらず、焼き鳥になぜ味噌をつけて食べたのか。
鳥田楽ともいえる味噌をつけた焼き鳥を再現してくれたBS日テレの「料理はじめて帖」は、その理由もちゃんと教えてくれました。
実は、みそ漬けにしないと、とても食べられたものではなかったようなのです。
ニワトリは卵を取るために飼っていたので、流通していたのは、卵が生めなくなったトリばかりだったのだそうです。
要するに老後を迎えたニワトリ。
卵を産むだけ生んで骨と皮だけになったら今度は食肉、
というのもニワトリにとっては浮かばれない話ですが、
人間様の立場から言えば、ポイ捨てしないで、その命のすべてをありがたくいただいて成仏していただくわけですから、命を無駄にしないという日本人の心にもかなっているわけです。
とはいえ、油っ気の抜けた肉ですから、そのままでは食えたものではありません。
そこで味噌、味噌の酵素が肉を柔らかくしてくれていたわけです。
焼き鳥の始まりは、硬い鶏肉を味噌につけてやわらかくしてから串に刺して焼いて食べた、
というのが番組の結論でしたが、諸説あるので、これだというのはないようです。
では、現在のような塩やタレをつけて食べる焼き鳥は、いつどこでできたのか、
残念ながら、番組ではその明快な答えは提示されていませんでした。
おそらく大正期に、店それぞれの工夫で焼き鳥が作られていたのでしょう、
そしてウナギのタレをつけて焼いたらうまかった、それが徐々に広まっていったのか、
あるいは自然発生的にそれぞれの場所でタレが考え出されていったのか、それはわかりませんが、B級グルメです。
うまくてその周りに笑い声と笑顔があればそれでいいので、今宵の一献、うまい焼き鳥を肴に酌み交わせば、なべて世はこともなし、です。
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