患者さんがそのクリニックで,切るオペ(ストリップ法)に関して尋ねると,
「とにかく傷がひどくて痛みがひどいから,FUTは受けない方がいい」
と言われたそうです.
ここである先生の言葉を借りると,
「技術のない術者の行う施術はなんであれ良くない,
つまり彼らが行う切るオペ(ストリップ法)をわれわれが行うものと同じで考えていること
自体が間違いである.」
その通りだと思います.
彼らが行った切るオペの酷い結果の画像もたくさんあります.
そもそもFUTとFUEという比較自体が間違いだといつも書いていますが,
今一度書くとFUEはfollicular unit extraction 毛包単位 くり抜き採取
といい移植株の採取方法の一つのことです.
FUTは follicular unit transplantation 毛包単位 移植
つまり植毛全般をFUTといい,その移植株の採取方法の中にFUEと
帯状採取(いわゆる切る方法)があります.
これを混同して説明していることも,私には疑問でした.
そんな施術者にある患者さんが,私のブログの話をして,
「生え際は1本毛で植えてくれますか?」
と尋ねたら,
「私はそんなことには気を配らない,ただ密度だけは誰にも負けない.
それが嫌なら他でオペを受けた方がいい」
と言われたそうです.
その結果がこれです.
生え際ですが
⇒は元々生えている毛穴に新しい毛穴を作っていることを現し,白い矢印は既存の毛の向きを,黒い矢印は移植毛の向きをあらわします.
白い矢印⇒は,炎症を伴いでこぼこしている毛穴の状況と白い線はばらばらな毛流れをあらわしています.
これは私が作成させていただいたヘアーライン毛穴から,1本毛が適切に生えている模様です.
そんな術者が行った結果は,患者さんにずっとのしかかります.
はっきりいいますが,
髪の毛の角度や向きが正しくない植毛は,
次のオペで密度を上げたり,正しい移植をしたりすることが非常に困難になります.
患者さん側が医療機関を選ぶ際に,明確な基準があるといいのですが.
アメリカ毛髪学会専門医
アメリカ毛髪学会専門医試験官
アルタス公認国際インストラクター
長井正寿
にほんブログ村