節電モード | SHoGo PaPeR >> 鈴木正吾のブログ

節電モード


震災の被害にあわれた方へ、心よりお見舞い申し上げます。

今日、表参道から原宿へ抜け、山手線で新宿に移動。そんなルートを辿りながら、駅構内の照明が抑えられ、街角のエキシビジョンも止まっている節電モードを体感すると、「これぐらいで十分だな」と思ったりしました。ローマのテルミニ駅もロンドンのトテナムコートロードも、昼間の街はこのぐらいの「モード」です。ここにきて、いかに普段から「光」と「音」が渦巻いていたかということを痛感します。「東京ダイナマイト」のお二人や「パンクブーブー」の佐藤さんら吉本芸人が募金箱をもって大声を張り上げていたルミネ前、学生達が募金を募っていたアルタ前など、その声に足を止める通行人も多かった気がします。無作為に、無造作に、いろんな音や声が縦横無尽に飛び交っていた無関心な街の様子も、さすがに被災地の方を思うと、という感じです。電気、ガソリン、トイレットペーパーにおむつ、足りないものばかりの被災地の方々の暮らし、そしてプライバシーの無い避難所でのストレス、未だ行方の分からない方の安否。阪神大震災を超える死亡者の数、そして、広範囲にわたる津波被害。東日本大震災がいかに凄まじく、そこからの復興に日本人の一人としてできることは何か、その限りを考え、そして一歩動き出そうと、強く思います。

日本の安全「神話」なる言葉がことごとく崩れていると書いていたのは天声人語でしたか。JALのジャンボ機が墜落し、阪神大震災で高速道路が横倒しになりました。そして今回の「原発」です。大地震で停電が起き、炉心を冷却する水の循環が止まりました。非常時の電源は津波に濡れ働かず、炉心の温度で周りの水が蒸発して水位の低下。剥き出しになり、空だき状態になった時間に比例して炉心がメルトダウンするのではないか。もし、溶けてしまえば地球の裏側にまで被害が及ぶという「チャイナシンドローム」です。アメリカのスリーマイルの原発事故で言われたそんな状況が、日本の福島で起こるのか。CNNのサイトを始め、世界のニュースが「FUKUSHIMA DAIICHI」原発に注目しています。放射能、という見えない脅威におびえ、一時、東京でも外出は控えるのか?や、洗濯物は外に干していいのか?など、「かもしれない症候群」で気が変になったりしました。中国では、海水からつくる塩は日本海で福島と繋がっているので危ない。そんな風評で海水塩以外の塩をもとめてスーパーで大行列ができたというのも聞きました。日本の技術=安全。原子力発電所という「危険」をカバーしていた神話が今回、崩れました。だからといって?原発反対に動くのは、電力の安定供給の面からも、計画停電で「困難」を強いられた身からするとなかなか難しく。地震のほとんどないドイツでも、シュレイダー元首相が梶を切った原発建設にメルケル現首相が待ったをかけたり、中国でも原発増設に慎重論を、という動きがあると言います。原子力の使い方、管理、そして生み出す便利。そこにある危険。今もまだ予断を許さない福島第一原発の状況を見守りながら、そこで復旧にむけ懸命に作業をすすめるフクシマ・フィフティの方々に敬意を表すると共に、「これから」の電力についても深く考えさせられます。

戦後最大の被災者を出した今回の東日本大震災。日本企業の円確保(ドル売り)を期待して、世界中で円が買われ、一時、戦後初の1$=76円という驚きのレートを出しました。今日現在、実際の銀行の販売レートを見ると、CASHで83.4円、T/Cも手数料を含めるとほぼ同額でした。これからどこでどんな震災の影響がでるのか。紙媒体の仕事に携わりながら、印刷所が計画停電のために刷れないなんて話がでたり、旅行会社勤めの元同期からキャンセルジョブばかりだと聞いたりすると、今を堪え忍んで、その後、グンっと押し上げていく力を、そのタイミングを、待つばかりです。



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