会場までの最寄り駅から一つずれ、高島平という駅に初めて降りた。駅前から一直線に続く商店街がなんともいい。焼き肉屋の前では、子供達がお弁当にお茶、いかがですか、と呼び込みをしている。親たちは簡易台の上の弁当を売っている。暑い。首に巻いたタオルがいい。本当に、夏だな、と思う。配られたうちわ。浴衣姿の女性が軽やかに扇げば、隣でTシャツにジーパンの男性が荷物を持っている。

昨日、いたばし花火大会に行きました。

昼間の猛暑の中、駅から河川敷までは30分ちかく歩いたんじゃないかな。たまらず「しろくまくん」なるアイスクリームを買って、それもそっこう溶けてしまうのをシューッと気をつけながら食べたりしながら。早く場所をとって、ビールを飲みたい!とそればかりで先を急いでいました。堤防を越えると、河川敷に広がった広大な敷地。川を見て右側から花火があがると知って、ベストスポットを探しつつ。日陰ひとつない草むらで、なんだか、とっても懐かしい、少年野球をやっていた時代の夏の日なんかを思い出しました。ようやく場所を見つけて、レジャーシートを広げ、お弁当をつくってもらったのでそれと一緒に乾杯。あの、一杯。めちゃくちゃ旨かったです。それがプレミアムモルツじゃなくても、最高だったはずです。と、開始まで二時間。夕方になって涼しくなるまでは地獄のような炎天下。それを日傘でガードしながら絶える彼女の横で、ぼくは裸になって寝ころんでました。気持ちいいもんです、寝ころぶって。

このいたばし花火大会。歴史があって、芸術玉が打ち上げられることで有名らしいんですが、それよりも何よりも、なんとも地元的な雰囲気が素敵でした。土手沿いにいくつか設けられた「エリア」に、レジャーシートを広げているのはカップルや家族、大学生だろうサークルの仲間達。それにも増して、老夫婦の姿が目立ちました。ぼくたちの後ろにいた方は、もう何十年とここに通っているらしく、手持ちのお弁当がなんとも乙。例えば、唐揚げやウィンナーにひとくちハンバーグをバスケットに詰めた感じのぼくらに対して、タッパーに煮物を入れ、それをちゃんとお箸で食べる感じ。ビールもぐびぐびいかず、まるで「風」でも感じてその場に溶け込んでいるかのようでした。そう言えば、午後6時も過ぎると、確かにちょっとは過ごしやすく、川辺なので涼しかったりもしたのですが、それでも、あの縁側な光景はなんとも良かったです。歳をとっても、ふたりで仲良く、花火を見られる二人になってたいな、などなど云々。

陽も落ちると人出は本領を発揮して大混雑。始まりの一発が打ち上げられる午後7時10分には、ぼくは追加買い出しのコンビニにいて、レジ待ちのため店内をぐる~っと一周している列の中にいました。「お~」という歓声を焦りながら聞いたりして。猛ダッシュで戻り、連続打ち上げの夜空の花火に感嘆。で、乾杯。堤防で、夜の花火は、寝ころんで見る。それに限る、なんてことに気付いたりして。メイン会場からすこし離れていたので、最後のナイアガラの滝は見れませんでしたが、花火の鉄人なる匠のひと玉にうっとりきたり(夜空に一本、ヒュルヒュルとのぼり、それが花開くまでの時間の妙、そして一発さいた後、時間差でパラパラ散りばめられる白い光。見事でした)。最後、今年の大会をしめくくる大玉連打に、真っ暗な空がぱーっと明るくなって。ただただ、圧巻でした。

いたばし花火大会の写真など、詳しくはHot Timesに記しています。



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