「ソウル・パワー」 | SHoGo PaPeR >> 鈴木正吾のブログ

「ソウル・パワー」

毎月届くvisaの情報誌に「石見銀山」特集が載っていて、大森町の雰囲気に魅了されつつ、今年の夏にでも行くかな、と考えていると、ちょうど良いところに瀬戸内海の島々で行われる「瀬戸内国際芸術祭2010」もあるでは!と、なんだか梅雨のじめじめが始まる前から、梅雨明けのスカッとした夏空の下で「歩いている」自分を想像している今日この頃。昨日、暑かったですよね。汗がじわっとわき出てきて。新宿南口には、菅首相が初めての街頭演説のために現れました。たぶん、「あっついなぁ」と思っていたんじゃないでしょうか。夏の選挙前の、第一声。本番はこれからなんでしょうね。

そんな新宿にある小さな映画館「K'sシネマ」で封切りされた『ソウル・パワー』を見てきました。一言でいって「圧倒的に素晴らしい」という映画でした。公開初日なので、恒例の「ぴあ出口調査」の調査員からのアンケートにも応えたりして。100点満点といきたいところでしたが95点。それは、もっぱら編集の仕方に「ん?」と思わせるところがあったからで、見終わった後の「圧倒され度」は100点なんて突き抜けてましたけど。BBキングのギターに頭の中がグラグラ揺れて、ダニー・レイのコンガで腰のあたりからドンドン突き上げられる感じって言うんでしょうか。モハメド・アリはインタビューで言葉の連射をラップ調で語り、当時の、「ザイール'74」という一大パフォーマンスの、良いトコどりを見せられた感じです。ジェームス・ブラウンの登場で、最高潮に達した音楽祭3日目の映像は、なんだか不思議なほどに気持ちが盛り上がりました。なんなんでしょうか、あれ。ソウルパワー、なんでしょうね。あの時代の、あの映像だから感じる「特別」なものというより、時代を感じさせない圧倒的な感じ。すごいです。ゲロッパ!とは、言ってませんでしたが。ただ、、、もう少し、パフォーマンスを純粋に流し続けてくれれば、そこにネイティブ・アメリカンの回帰がどうのこうのを、頭じゃなく心で感じられたんじゃないかな、とは思いましたけど。(映画について詳しくはCinemaSに記しました)

未開の地だった「アフリカ、ザイール」で、世界タイトルマッチを行う。キンシャサの軌跡と呼ばれたモハメド・アリとジョージ・フォアマンの一戦は、世界中が「アフリカ」に目を向ける機会になったようで。アリのソウルパワーもすごいものがあったようです。ぼくの生まれる前の、なんというか世界中で巻き起こった黒人解放運動の、とてつもなく熱い「魂」。それをアリは拳にこめてた、ということなんでしょうね。あれから35年以上。今年、南アフリカでサッカーのW杯ですよ。これはすごいですよね。世界タイトルマッチの興業だけでも世界中の目がいくのに、W杯とは。世界最大のスポーツの祭典で、まさに「魂」を足?にこめたトップ選手が国旗を背負って「ギリギリ」で戦う様は、開幕戦の南アvsメキシコでも感じたし、韓国も、アルゼンチンも、本当に熱いです。ヨハネスブルグの治安云々、いろいろありますけど、連日世界中に映像が配信されて、ブブゼラは賛否両論巻き込んで誰もが知るラッパになったりして。「サウスアフリカ'10」。この今の瞬間が、数十年後まで受け継がれることは間違いないでしょうね。お孫さんの事故死で開会式に出られなかったマンデラ元大統領は残念でしたが、間違いなく「彼」が、この今の南アの、なんというか基盤を築いたんでしょう。この勢いに乗って、様々な問題を抱えるアフリカが、特にサハラ以南の地が、勢いずくことを願いますね。今、民族紛争も一段落して、豊富な資源を元に世界に向けて「がんばるアフリカの若者」をチーター世代というそうです(詳しくはwordsへ)。一過性のものだと言われることもありますが、このW杯を機に、走り出したチーターは、きっと何か、大きく、世界を変えそうで、そこに期待したりもします。


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