将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~

オールラウンドプレイヤーを目指す序盤研究ブログです。最近は棋書 感想・レビューのコーナーで、棋書の評価付けもしています。


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今回は2015/11/22に指された第3回電王トーナメント決勝T2回戦、
tanuki 対 超やねうら王の将棋を見ていこうと思います。

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先手:tanuki
後手:超やねうら王

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △8五歩
▲7八金 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △3二金 ▲3四飛 △3三桂
(下図)

横歩取り△3三桂戦法。

上図以下
▲8七歩 △7六飛 ▲8四飛 △8二歩 ▲2三歩 △同 金
▲2四歩 △4五桂 ▲7七金 △同角成 ▲同 桂 △2二金
▲8五角 △2六飛 ▲6三角成
(下図)

▲8七歩と打って一番激しい変化へ。
この手に換えて、▲5八玉が一番実戦例が多い。

従来の定跡では△5七桂成▲6五桂だが・・・

上図以下
△5七桂不成(下図)

狙ってましたね。

以前、「あなたの好きな駒は?」のアンケートで、
△3三桂戦法は嵌め手で勝てる、というコメントをされていた方がいたので、
私個人としては、もしかして、と思っていた手ではありました。
(具体的な手は示されていなかったので、違う嵌め手があるのかもしれないけど)

人間が作ってきた定跡が間違えている、という事もあるので、
先入観の無いソフト同士の対局では、定跡の優劣で勝負が決まる事もしばしば。
私の研究でも、上図は後手が十分指せると思っています。
例えば、▲3八金と逃げると△6六歩▲同 歩△同 飛の筋があります。

上図以下
▲5三馬 △2九飛成 ▲3一馬(下図)

△5七桂不成に対し、金を逃げる場所が難しいので、
▲5三馬は最強の手段だと思います。

上図では△4九桂成を入れるのも有力なんですが、
▲同 玉△3二金打▲6三桂△6二玉▲6四馬が詰めろになります。
これは少し先手が良いかな。

上図以下
△3二金打 ▲5四飛 △5二歩 ▲5七飛 △3一金(下図)

よって、単に△3二金打と受けに回るのが正解と。
先手も危険な桂を外せて一息つきました。
駒の損得もほぼ互角で、素晴らしいバランス感覚。

上図の形勢判断は難しいですね・・・
竜を作った後手か、手番を握った先手か。

感覚的には▲6五桂と跳ねるところですが、△4五桂と打つ手が厳しい。
それも難しい将棋だとは思いますが、本譜は激しい殴り合いになりました。

上図以下
▲6三桂 △4一玉 ▲7一桂成 △4五桂 ▲5五飛 △3七桂不成
▲6一成桂 △4九桂成▲同 玉 △2七角 ▲5八玉 △3九龍
▲5一金 △3二玉 ▲6五桂
(下図)

お互いに、相手の手を見ていないんじゃないか、という叩き合いですね。
これでバランスがとれているのが美しいですが、次の一手が後手の切り札。

上図以下△2一玉(下図)

早逃げが好手でした。

こういった玉が薄い将棋では、
詰まない場所を先に見つけた方が有利になりやすいので、
ここで人間の目にも超やねうら王がリードをとったかな、と。

反対に、早逃げを誘発した▲5一金辺りで、
先手に何か無かったか、とは思うんですが、
△5四銀と打たれると攻めが止まるので、仕方ないのでしょうか・・・

上図以下
▲2三桂 △4九角成 ▲5七玉 △3二金上 ▲3三歩 △同 龍
▲4一銀 △4八銀 ▲6六玉 △2四龍
(下図)

△4九角成△4八銀は「王手は追う手」なので、
違和感があるところですが、上図まで進むとなるほど。
▲6六玉と上がらせて、角筋を止める意味でしたか。
▲3三歩△同 龍も方針一貫という感じですね。

ただ、ここで受けに回るようだと形勢はまだ難しいですね。
少なくとも、人間的には。

上図以下
▲3二銀成 △同 金 ▲5二飛成 △2三龍 ▲4一銀 △3一歩(下図)

しかしそうか、△2三龍と桂が取られちゃうんですね。
▲1一桂成を入れてしまうと後手玉が遠くなるという判断ですが、
△3一歩と打たれてみると、凌ぎ形ですか。

超やねうら王がゆるゆると指した事もあって、
以降は長くなったんですが、逆転した局面は無かったと思います。

総括としては、やはり△5七桂不成のやねうら王新手がどうかですが、
先手が良さを感じられる局面は無かったので、
▲8七歩と打った手がどうなのかなぁ、と思ってます。

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総譜:

先手:tanuki
後手:超やねうら王

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △8五歩
▲7八金 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △3二金 ▲3四飛 △3三桂 ▲8七歩 △7六飛
▲8四飛 △8二歩 ▲2三歩 △同 金 ▲2四歩 △4五桂
▲7七金 △同角成 ▲同 桂 △2二金 ▲8五角 △2六飛
▲6三角成 △5七桂不成▲5三馬 △2九飛成 ▲3一馬 △3二金打
▲5四飛 △5二歩 ▲5七飛 △3一金 ▲6三桂 △4一玉
▲7一桂成 △4五桂 ▲5五飛 △3七桂不成▲6一成桂 △4九桂成
▲同 玉 △2七角 ▲5八玉 △3九龍 ▲5一金 △3二玉
▲6五桂 △2一玉 ▲2三桂 △4九角成 ▲5七玉 △3二金上
▲3三歩 △同 龍 ▲4一銀 △4八銀 ▲6六玉 △2四龍
▲3二銀成 △同 金 ▲5二飛成 △2三龍 ▲4一銀 △3一歩
▲3五金 △2六龍 ▲5五玉 △3五龍 ▲6四玉 △2三金
▲3六歩 △2五龍 ▲7三桂不成△3四龍 ▲5四歩 △6二歩
▲同 龍 △7四金 ▲5三玉 △7三金 ▲7四歩 △同 金
▲3五歩 △2四龍 ▲2五歩 △3五龍 ▲5二玉 △2七馬
▲5三歩成 △4四歩 ▲7一成桂 △7三銀 ▲2四歩 △同 龍
▲6六龍 △3三龍 ▲6一玉 △5三龍 ▲5二銀成 △6二金
▲同 龍 △同 銀 ▲5三成銀 △同 銀 ▲5二金 △6三飛
▲5一玉 △6二銀打 ▲6一玉 △7三飛 ▲5三金 △同 銀
▲5二金 △6三馬 ▲5一銀 △7一飛 ▲同 玉 △7三金
▲6二飛 △同 銀 ▲同銀成 △7二金打 ▲6一玉 △6二金
▲同 金 △5二銀 ▲7一玉 △6二馬 ▲8一玉 △7二馬
▲9一玉 △8一金
まで140手で後手の勝ち

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