未だ根強い人気を誇るのも確かなようだ。
今回は、富沢キック ポンポン桂について考えたい。
初手から
▲７六歩 △３四歩 ▲６六歩 △８四歩 ▲６八飛 △６二銀
▲１六歩 △１四歩 ▲３八銀 △５四歩 ▲７八銀 △４二玉
▲６七銀 △３二玉 ▲４八玉 △８五歩 ▲７七角 △５二金右
▲５八金左 △５三銀 ▲４六歩 △７四歩 ▲３九玉 △７三桂（下図）
図の△７三桂が富沢キック ポンポン桂の出だし。
藤井システムへの対抗策として、
一時期先後問わずに指されていた。
主な狙いは△６五桂～角交換～△８六歩。
これを受けて▲５六銀とする方も見かけるが、
これは危ない指し方。以下
△８六歩 ▲同 歩 △８四飛 ▲２八玉 △７五歩 ▲同 歩
△６四銀（下図）
これは角頭が無防備すぎて、
先手を持つ気がしない。
よって、△７三桂には▲２八玉が本筋の一手だ（下図）。
この手に対して△６五桂も見えるが、
▲９五角 △８三飛 ▲６九飛で大丈夫。
よって、後手は△５五角が本筋だ（下図）。
この△５五角が通称「富沢キック」である。
△５五角の効果は、
次の△６五桂 ▲９五角の時に７三に利かしているので、
△９四歩で角を殺せるというもの。
上図では▲４五歩が定跡とされているが、
△６五桂 ▲同 歩 △７七角成 ▲同 桂 △８六歩 ▲同 歩
△同 飛（下図）
これも難しい形勢ではあるが、
△４六香のキズが残っている分、後手が分かりやすいと言える。
よって、
△５五角に対する振り飛車側の本筋は▲７八飛と思う（下図）。
４六の歩を見捨てるので見えづらい手だが、
この手を知らないとスッキリ捌けない。
△６五桂には▲６八角と引いて何でも無いので、
後手は△４六角と取るよりないが、
そこで▲７五歩 △同 歩 ▲６五歩（下図）。
以下△４四歩には▲６八角で捌けるので、
上図では勢い△同 桂としてくるが、
▲１一角成 △５七桂成 ▲７五飛 △５八成桂 ▲同 金 △７二歩
▲８八馬
といった進行は、
端攻めが楽しみなので、先手が十分指せる将棋である。
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