どうも、久しぶりの読者の疑問のコーナーです。
第3回は後手メリケン向かい飛車について、という事なんですがー・・・
質問からいつの間にか1ヶ月が経過していて、
疑問の提供者さんには非常に失礼な事をしたと思っています(汗)
実際のところ、リアルが忙しかったので、
すぐお答え出来なかったんですが、
棋書 感想・レビューのコーナーで時間稼ぎしたのが大きく、
現在は余裕を持って考えられる次第です。
とは言え、何度も言っている事ですが、
私自身、別に定跡の伝道師を気取るわけでもありませんし、
「何でもかかってこい、俺が答えてやる!」等と、
傲慢な態度でこのコーナーをやっているわけでもありません。
わからないものはわかりませんし、
私より強い人が見たら「何バカな事を言ってるんだ」と思う事でしょう。
・・・ま、言い訳を言ってもキリがないので、
さっさと疑問を考えていきましょう!(笑)
今回の疑問
後手番メリケンで同様の変化になった際(62玉型で開戦)
どの変化が62玉型を最もとがめていると言えるでしょうか?
との事でした。
「同様」の意味が分からない方は、
過去にメリケン向かい飛車の記事を書いていますので、
そちらをご参照くださいな。
※記事一番上の盤面で、後手なら▲4八玉型(△6二玉型)という事。
私が引っかかったのは、
2行目の「62玉型」という言葉で、
果たしてその形になるのかなぁと、
疑問が増えてしまいました(苦笑)
初手から
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △3二銀(下図)
すごく根本的な疑問で恐縮なんですけど、
この局面で先手はどう指すのが最善なんでしょうね?(笑)
以前書いた記事と同様に進めたいのなら▲6八玉なんですが、
後手が居飛車にする可能性が残っているので、
私自身は▲5六歩と突く事が多いです。
上図以下
▲5六歩 △4三銀 ▲5八金右 △3五歩 ▲2五歩 △3三角
▲6八玉 △2二飛 ▲7八玉 △3二金 ▲4六歩 △6二玉
▲3六歩 △同 歩 ▲4七銀(下図)
△6二玉の瞬間に▲3六歩~▲4七銀と、
勢いを付けて仕掛けます。
上図では
1.△4五歩
2.△2四歩
が考えられますが、
1.△4五歩以下
▲5五歩 △4六歩 ▲同 銀 △2四歩 ▲3五銀(下図)
2.△2四歩以下
▲3六銀 △2五歩 ▲同 銀 △4五歩 ▲5五歩 △4六歩
▲2四歩 △1四歩 ▲3四歩 △4四角 ▲5七金 △1三桂
▲4六金 △4五歩 ▲同 金 △2五桂 ▲4四金 △同 銀
▲5四歩(下図)
大まかな研究ですが、
1.△4五歩も、2.△2四歩も、先手が良いでしょう。
先手の▲5六歩が将来の▲5五歩として活きているわけですから、
ハッキリ先手の得を主張していると思います。
・・・しかし、これは私ならという手順であって、
質問者さんの疑問に答えているわけではありませんね(苦笑)
蛇足を先に書く形になりましたが、
そろそろ本題に移ろうと思います(笑)
▲5六歩に代えて、以下
▲6八玉 △4三銀 ▲7八玉 △3五歩 ▲2五歩 △3三角
▲5八金右 △2二飛 ▲4六歩 △3二金 ▲4七銀 △6二玉
▲3六歩 △2四歩(下図)
この図が疑問の局面です。
△6二玉型を咎める最良策は何かという事なんですが、
基本的にはどの変化でも、概ね先手が良いんでしょうね(笑)
まぁ、それを承知の上での疑問でしょうし、
気持ちも良く分かります。
さて、この形は代表的な進行例があるので、
その形を検討してみましょう。
上図から
▲同 歩 △同 飛 ▲同 飛 △同 角 ▲2二歩 △2八飛
▲2一歩成 △2九飛成 ▲4五歩 △3六歩 ▲同 銀 △4六角
▲2二と △4二金 ▲4四歩 △5四銀 ▲3四桂 △5二金寄
▲3二と △7二玉 ▲4三歩成 △同 銀 ▲4二と △6二金寄
▲4三と △1九角成 ▲1一角成(下図)
上図への進行は、アマプロ勝ち抜き戦 石川陽生プロ-横山公望アマ戦。
実戦は、最終手▲1一角成のところで▲4二飛と打ったのが痛恨のミスで、
△4一歩から手を稼がれて横山アマの勝ちとなりましたが、
上図は先手が良いでしょう。
この変化はと金がすり寄っていく味が良く、
私が同じ局面を迎えても、やはり同様に進めると思います。
「最も」というフレーズがある以上は、
本来全ての変化を検討するのが筋なのでしょうけど、
玉が近いからと金を作る、という考え方に私は好感を持ちます。
やはり、プロの感性は信用出来ます。
不完全なお答えかもしれませんが、これが私の結論です。
私の後手メリケン向かい飛車対策は置いておいて(笑)
何かのお役に立てば幸いです。