今日は阪神・淡路大震災から20年目。

私は布団の中でしたが、ビリビリと窓ガラスが

長く揺れ、あれっこれは変だ!と思い布団から

出てテレビをつけた記憶がはっきり蘇ります。

 

昨日は本願寺報恩講のお満座でした。

法要に引き続き、

ご門主が「伝灯奉告法要についての消息」を

発布されました。

伝灯奉告法要についての消息


去る平成二十六年六月六日、前門主の跡を承けて法統を継承し、本願寺住職ならびに
浄土真宗本願寺派門主として務めてまいりました。ここに法統継承を仏祖の御前に奉告
いたしますとともに、あわせて本願念仏のご法義の隆盛と宗門の充実発展とを期して、
平成二十八年および二十九年に、伝灯奉告法要をお勤めすることになりました。
 阿弥陀如来のご本願は、あらゆる存在を分け隔てなくそのまま救おうとはたらきかけ
ていてくださいます。迷いと苦悩をかかえる私たちは、阿弥陀如来のお慈悲ひとすじに
この身を任せ、真実のさとりの世界であるお浄土に生まれていくべき身にならせていた
だきます。宗祖親鸞聖人が「そらごとたわごと」とお示しくださった私たち白身を含む
迷いの世界は、何一つとしてたよりになるものはありませんが、ご本願のはたらきの中
に生きる私たちは、確かな依りどころを持つことができます。
 科学技術の発達による便利で豊かな生活の追求や欲望の肥大化はとどまることを知り
ませんが、人々は、そのような豊かさのみを追求することの虚しさに気づきはじめたの
ではないでしょうか。しかも、核家族化・人口の流動化などによって社会構造は大きく
変化し、入間関係は希薄となり新たな悩みや不安を生み出しています。さらに世界に眼
を移せば、武力紛争、経済格差、気候変動、核物質の拡散など、人類の生存に関わる課
題が露呈しています。これらの傾向は今後一層強くなっていくことと思います。
 私たちは、凡愚のまま摂め取って捨てないとはたらき続けていてくださる阿弥陀如来
のお慈悲を聞信させていただき、その有り難さ尊さを一人でも多くの方に伝えることが
大切です。それとともに仏智に教え導かれて生きる念仏者として、山積する現代社会の
多くの課題に積極的に取り組んでいく必要があります。まさにこのような営みの先にこ
そ、「自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献する」道が拓かれていく
のでありましょう。
 このたびのご法要が、親鸞聖人によって明らかにされた阿弥陀如来の救いのはたらき
に依りながら、時代の変化に対応する宗門の新たな第一歩として意義を持つものであり
たいと思います。宗門では、親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年に向けて新た
な長期計画が策定されます。皆様の積極的なご協力とご参画を心から念願いたします。

 

  平成二十七年
    一月十六日
  二〇一五年
                       龍谷門主  釋 專 如