いつも応援有り難うございます。
靴のソムリエ・ヤナギハラ ユミコです。

2009年に書いた記事を加筆訂正してお届けします。


天気が悪い日はスエード靴を履きたくない日です。
理由はアフターケアが面倒くさいダウン


お気に入りの靴を履いていて突然雨が降ってきたとき、ABCマートに飛び込み安いコンバースのスニーカーを買って履き変えたり、タクシーに飛び乗って家に帰ったこともあったっけ…かなしい
このあたり、靴好きな方だとわかっていただける感覚だと思うのですが…(笑)


これは、私が20代前半に買ったシャルル・ジョルダン。
フランスの靴です。
かれこれ15年くらい大事に履いてます。


皮革修復研究家@ゆみの夢実現つながるブログ


素材はスエード(シルキー)
このスエードというのは、革の裏面を毛羽立たせた素材です。
特に高級婦人靴のスエードは、カーフという仔牛の革を使っている場合が多く、毛足が長く、柔らかく、発色が良いのが特徴です。


スエード素材は、柔らかい独特の手触りが魅力。
雨に濡れた後のケアによっては、毛足が硬化してしまったり意外とケアが面倒です。
淡い綺麗な色のスエードなどは、雨ジミや泥汚れが一度ついてしまうと非常に落としにくいのです。


しかも、お手入れをしても完全に元通りになる保証もない。
リスキーな思いをしてまで、雨の日にスエードを履く必要は無いのではないかしら?と私は考えます。


女性の場合、雨には雨の装いがあります。
最近では、レインブーツなどで可愛いコーディネートを楽しめますから、雨には雨の靴を用意しておいた方が、精神的にも、経済的にも、時間的にも楽ですからね。


美しさをずっとキープして履き続けたい方は、ダメージが出来てしまった後のケアよりも、プレケアで汚れをシャットアウトすることを考えましょう。


日頃のお手入れは、防水スプレーとブラッシングだけでOK。チョキ



●新品の靴は、おろす前に防水スプレーをかける。
スプレーをかける頻度:目安としては、一ヶ月に一回程度で十分です。

●履いて帰ったその日にブラシでブラッシング。

●汚れは定着する前に除去。

まずこの3つを徹底します。




★ブラッシングの仕方
まずは毛の流れに逆らって一回、その後毛の流れにそって整えます。
つま先など毛足が固くなってしまった部分には、金属のブラシが組み込まれている「スエード専用のブラシ」も売られています。
しかし、あんまりガリガリこすると毛が取れてしまうので優しくブラッシングしてください。


★ブラシを選ぶポイント
女性の手に大き過ぎて、指が届かないものはとっても磨きにくいです。
各メーカーから出ているブラシの中から、手に取ってしっくり馴染むものを選ぶといいですね。

・横幅が小さいから持ちやすい
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・毛のコシはOKですが、長過ぎて手が届かないのがちょっと不満です。
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★防水スプレー
コロニルというドイツの製品がお気に入りです。
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この防水スプレーは、革の内部に浸透して防水するので効果が高いようです。



どうしても取れない頑固な汚れには、起毛革専用の消しゴムが出ています。
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最後に重要なポイントがひとつ。
●スエードなどの起毛している素材には絶対に靴クリームは塗っちゃダメです!!
タンカー事故に合った水鳥みたいになっちゃいます。ヽ((◎д◎ ))ゝ
ジョイくんで洗えばばっちり!ってわけには行かないんですよ~





★濡れてしまった場合は
・新聞紙などをまるめて形が崩れないように詰めます
・風通しの良い場所で日陰干し
・こまめに新聞紙を変えます
・革の表面の水分が飛び、生乾きになってきたら、靴に合ったシューズキーパーに入れ替えます
・完全に乾いたら、防水スプレーとブラシで仕上げます


※色が薄いスエード、綺麗な色のスエード等の場合は、新聞紙のインクが色移りするのを避けるため、白い紙を使うか、タオルなどで代用してください。

湿気の多いときは、扇風機の風を当てて乾燥するのも手です。
ドライヤーなどの熱風は当てないようにしましょう。
変形、変色などの原因になります。


日々のケアを徹底しておけば、起毛素材の靴だって10年過ぎても綺麗に履けるんです。
大事なスエード素材の靴は、プレケアを徹底的に頑張りましょう。
出来れば雨を避けた方がベターというのが、私の個人的な見解です。



最後までお読みいただき有難うございますゆみちゃんへ印鑑