今年の年頭から我が夫婦で始めたことの一つに「朝の挨拶」があります。二人の子供が独立したり仕事で家を離れたりして日頃は二人暮らしの我が家にとって、妻は唯一無二の話し相手であり重要な相談役でもあります。今日まで何とか無事にやってこれたのも妻の支えと協力があればこそと感謝しています。
元旦の朝、姿勢を正し、気持ちを新たに「おはようございます。本年もお世話になります。どうぞよろしくお願いします。」と挨拶を交わした時から、毎朝、正座してお互いに目を合わせて「今日も一日、お世話になります」と、挨拶をする習慣ができました。
先日の新聞コラム『中日春秋』の次のような記事が目を惹きました。
ありがとうの行き先は
ありがとうが旅をして
必ずここにもどるとき
みんなと一緒の
幸せがある
ありがとうに
ありがとう
感謝の気持ちは、巡り巡って戻ってくるような気がする。
夫婦円満の秘訣は「ありがとう」という言葉だと聞いたことがある。お互いにやってもらって当然だと思っているといつか心はすれ違ってくる。照れくさいけれど、婉曲的にでもなく、ありがとうと伝えてみたい。
正座して相手に正対しその目を見つめて挨拶することは、何となく最初は照れくさいことでした。しかしながら、思い切って自分の方から発信してみると、妻も謙虚な態度で受けとめて自然体で返してくれました。以来、このような挨拶を重ねることによってお互いの信頼感が今まで以上に強まってきたように思われます。
何十年も連れ添い、わかっているはずだと思っていても時としてすれ違うことがあります。自分の想いを具体的な言葉や態度に表して素直に伝え合うことは、お互いの人生を深める意味でもとても重要なことのように思います。