浮かれてハミングしたくなるランチ | 空想俳人日記

浮かれてハミングしたくなるランチ

 見るからに随分昔から営んでられるとみえる喫茶店である。お昼休みも過ぎてたので、すいていそうだ。ランチが2種類あるぞ。AとB。そのAの方が、チャーハンとマーボラーメンだそうな。
「マーボラーメン?」って、声に出た。喫茶店なのに。
 思わず入った。

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「ランチ、まだ、あります」と聞くと、おやじさんが、AとBの解説を懇切丁寧にしてくれる。つまり、どちらも大丈夫なのだ。そして、Bのナショナルスパゲティにする。こちらは、サラダに、チャーハンが付く。チャーハンだ、ピラフじゃないぞ。
 Aのマーボラーメンが入った動機なのに、何故Bを頼む。いや、ひとつは、お店が「スパゲティ&コーヒー」という謳い文句に気がついたからだ。なら、スパ食べるか。それに、ナショナルスパだぞ。ナショナル・・・。
 そのナショナルなスパ、ソースが3種類から選べる。オリジナルソース、和風ソース、ピリ辛ソース。これも、おやじさん、丁寧に説明してくれた。やはり、オリジナルだろう。

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 そうこうしていると、近所のサラリーマンらしい団体(団体と言っても5人だけど)がやってきて、そのうちの4人がAを注文した。いや、分かる。特に、日頃から通いなれているとすれば、きっとおそらく、スパ系は何度も体験済みなのだと思う。おやじさんとも、仲よさそうだ。
「きみたち、しょうが、大丈夫」なんてA注文の人に聞いている。
 壁のところどころに、サイン入りの色紙。

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「えっ、あさだまお?」と。女子フィギュアスケートのマオちゃんだよね。6年前の来店だ。何、食べたのだろう。ナショナルスパだろうか。

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 やがて、ランチ到着。境界のあるビッグプレートにスパとサラダとチャーハンとお漬物。こりゃ、ええわい。

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 そして、確かに、ピラフでなく、チャーハンだ。正確かつ誠実なのだ、と思った。チャーハン(つまり炒めている)なのに、ピラフと称する店もある。

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 スパは、なるほど~、これも頷く。ようは、国民的なアイドル的スパなのだ。ま、特に、この愛知なスパ。ソースも、あんかけ風。でも、そんなにシャビシャビじゃない。炒められたスパに絡みやすいソースの按配。
 年季というものを感じる。きっとずっと、この店は、正確かつ誠実に努めて来られた店なんだと思う。気を効かして、私のコップに、何度もお水を注ぎに来てくれる。なんか、店名じゃないけど、食べながら、ハミングが出てきてしまう。

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 つい浮かれすぎて、粉雪がハミングに合わせて踊り続ける如く、パルメザンチーズをスパに積もらせ、雪化粧にしてしまった。
「チーズ、足りませんか」その様子を見てたらしい、おやじさんは、隣のテーブルから、さらに粉チーズの入れ物、渡してくれようとした。
「ああ、大丈夫です」と。ごめんなさい、調子に乗って掛け過ぎちゃった。
 でもね、ランチで少々浮かれ気分になりたいと思ったら、ここは、なかなか最適なスパゲティ&コーヒー(時にラーメン)の店ではなかろうか。

ハミング
ハミング by (C)shisyun

ハミング喫茶店 / 金山駅東別院駅尾頭橋駅
昼総合点★★★★ 4.0



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