極上のランチタイムは料理と店内の女優から | 空想俳人日記

極上のランチタイムは料理と店内の女優から

 この「安兵衛」という店の名の冠には、「味噌かつ」という文字が先にある。食べログにも、ただの「安兵衛」ではなく、「味噌かつ安兵衛 」とある。その味噌かつを期待して訪れるじゃないかい。いや、味噌があるかないかは、メニュー次第だが、とんかつの店と思うぞ。

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 そんな意気込みで訪れて、まず「ほにゃららら」と思ったのが、とんかつ屋の風情と異なる店内の雰囲気に、ちょいとノックアウト。

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 なんで、こんなに、たくさんのギターやら楽器が飾ってあるの? そうそう、エルビス・プレスリーのポスターも。
 そしたら、オーダーを聞きに来られた方が、まさにプレスリーのオールバック。うひょお。

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 いや、そればかりじゃない。懐かしの映画女優たちの写真やカレンダーもあちこちと。あれ、高橋の姓を名乗る前の関根恵子でしょ。誰、若かりし頃の、島倉千代子。あれは津島恵子じゃない。すぐそばには、えええ、誰、水戸光子? うわあ、可愛い、というか、理知的。私のタイプ。プロフィールまであったので見れば、大正生まれじゃん。いや、ステキ。

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 もう、食べ物の前に溺れてる。店内に。そうして、お昼のメニューから、日替わりがチキンカツだったので、やはり、もうちょっと上を、そう思って、ヒレかつをターゲットの刺身セットにした。

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 文字通り、ヒレかつもあるけど、刺身もある。というか、なんだ、このよりどりみどりのバラエティにとんだ仰山のおかず群は。

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 刺身やヒレかつは勿論、味噌味の煮物、おお、隠れていたポテトサラダ。お味噌汁も具が豊富。ナマスもいいじゃない。

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 とにかく、慌てて食べてはいけない。どれもこれも、ひとつひとつ味わいながら、しかも、関根恵子や水戸光子を眺めながら、至福の味の共演と懐かしき女優たちのフォトにうっとりする。
 なんか、一見ちぐはぐに思われがちな店内は、私にとって、すべて相乗効果が働いてのランチタイムとなった。
 いい店である。店名からは想像がつかない、至福のランチタイム。懐かしい女優を思いながら、かつて、この近所に封切館なる内田橋劇場があったことを思い出していた。
 いかんせん、私は、幼少ゆえ、ゴジラなどの怪獣映画しか経験はないが。それでも、超満員だったなあ、内田橋劇場。
 あらためて水戸光子さんの写真を眺めながら、もう少し早く生まれていたら、間違いなく彼女のファンになっていたことを確信した。
 そんなことを確信させてくれた、この店の料理は、料理以上に私に極上のランチタイムを与えてくれた。

味噌かつ安兵衛
味噌かつ安兵衛 by (C)shisyun

味噌かつ安兵衛定食・食堂 / 豊田本町駅伝馬町駅
昼総合点★★★★ 4.5



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