ドラゴン・キングダム | 空想俳人日記

ドラゴン・キングダム

映画『ドラゴン・キングダム』 - 映画の情報を毎日更新 | シネマトゥデイ このエントリーを含むBuzzurlこのエントリーを含むBuzzurl


J&J 太鼓判押す リウ惚れた


まさか、なんでこれまでなかったんだろう、ジャッキー・チェンとジェット・リーのビシバシ!!
でも、それ以上によかったのが、リー・ビンビンとリウ・イーフェイのビシバシ!!! どちらかに軍配あげろってもムリ!


 今回は、映画評だけれども、ついでと言うと申し訳ないっすが、テーマは「芽がつく木になる実もなるNews」にも属させてもらいますね。アメブロでのカテゴリは映画で行きますけど。
 なんでかと申しますれば、この映画『ドラゴン・キングダム(功夫之王/原題:The Firbidden Kingdom)』は、ワールド・プレミアが北京で行われるほどでありまして、主演の成龍(ジャッキー・チェン)、李連杰(ジェット・リー)、劉亦菲(リウ・イーフェイ)、李氷氷(リー・ビンビン)、ロブ・ミンコフ監督らが大集合となったそうですが、2大アクションスター初共演作のお披露目でもあり、多くのマスコミ陣やファンが駆けつけ華やかなプレミアとなったそうです。
 意外や意外、ジャッキーとジェット、これまで共演というか競演、なかったことに改めて驚きですね。それだからこそ、この映画の見所、なんてったってジャッキーとジェットの対戦シーンですよ。ジェット曰く「ジャッキーと戦うのは楽しくて、病み付きになりそう! でもジャッキーは動きが早いので、ちょっと遅くしてと毎回お願いしていた」と語ったそうな。ジャッキーも「ジェットとのアクションシーンは、本当に楽しかった! ジェットは武術学校で正式に武術を学んだ俳優で、僕は実践派の叩き上げ。タイプは違うけれど息はぴったりだった。15年前から共演したいと話していたので、やっと実現できたことを嬉しく思う。この作品の反応が良かったら、自分たちの手で続編作ってみたい。そしてこの映画の出演後、張芸謀(チャン・イーモウ)監督と仕事をしたいと思っていたけど、監督は北京オリンピック開幕式の準備で忙しい。お互いのスケジュールを調整して、監督の作品に出演したい」ですって。そんなジェットとの共演を喜びながら、今後の意気込みも語ったそうな。チャン・イーモウがそんな状況であることも面白いですね。
 それはさておき、なんと、ヒロイン役を演じたリウ・イーフェイが脚光を浴びておるそうですよん。ジェットは「数年前、イーフェイが『神雕侠侶』を撮影している頃に初めて会った。話をして彼女は大物女優になると予感した。才能があって若いのに英語が堪能。我慢強さもあるので、ハリウッド進出は当然のことだよ」とべた褒めですって。ジャッキーも「イーフェイはラッキーな女優。若くてチャンスに恵まれ、この作品に出演したことによって世界の映画ファンにアピールできた。さらに努力して、積極的な世界進出を目指してほしい!」とエールを送ったそうな。リウ・イーフェイ、私も、チャン・ツィイーから浮気しそう。まだ弱冠20歳ながら、ジャッキーとジェットに認められたイーフェイ、今後、世界に向けて羽ばたく女優になりそうですね。
 それにしても、ジャッキー・チェンとジェット・リーが初共演で、すんごい面白い作品になったとは思うんだけど、なんでこれまで実現しなかったんでしょう。やっぱ、ライバル意識があったんでしょうかねえ。でも、この映画、視点は、アメリカ。製作もアメリカ映画だし、監督のロブ・ミンコフもひょっとかして、オリンピック・イヤーを利用して、ライバル意識を共通化させたのかも。しかも、作品の中身は、中国に伝わる誰もが知っている伝奇小説「西遊記」「八仙」「白髪魔女伝」等のエッセンスが盛りだくさん。そんな中国文化を世界に広める伝道師になれれば、そう二人に思わせたのでしょうね。大成功ですよ。
 さらに、そのエッセンスの一つ「白髪魔女伝」がここでは、リー・ビンビンの白髪魔女。そして、ジャッキー・チェンとジェット・リーの対決シーンと同様、リウ・イーフェイとリー・ビンビンの対決が私たちを魅了します。
 物語の筋からいけば、現代のボストンに住むマーシャル・アーツ好きのいじめられっ子、ジェイソン(マイケル・アンガラノ)が主人公なるかな。でも、既に質屋の老人(これもジャッキー)から託された棍棒を携えて、数百年前の中国へとワープするところから、彼は実はお話の媒介役。彼は棍棒が孫悟空(これもジェット)の如意棒だと知らされ、2人のカンフーマスター(ジャッキー&ジェット)と美貌の女剣士リウ・イーフェイ演じるゴールデン・スパロウと旅をするあたりから、彼は、現代版の西遊記再生における雇われ孫悟空なんですよねえ。彼は如意棒と共に悟空の復活を恐れる邪悪な将軍に立ち向かっていくんですから、ジャッキーとリーは脇役なんだけど、ジャッキーの懐かしい酔拳、リーの得意の棒術、みんなが西遊記の世界を身近に感じる仕組み仕業なんですね。
 いやあ、一見、単純なエンターテイメントですけど、よく練られた作品ですね。こういうのを見ると、ついつい思うのは、企業相手にがんじがらめのマーケティング理論で説き伏せようとし、何んでもいいから金を引き出させてプロデュースしようとする輩のがちがち頭に「つきあってられないよなあ」と思います。
 もちろんマーケティングの理論や理屈は知っていた方が知らないよりもいいでしょう。でも、その中身、いかにマーケティング活動における中心部である人の心が動かせるか、マーケティングの理論や理屈ばかり、がなっている人は、全然中身の魅力に入り込んでいないんですよね。ジャッキーとジェットを共演させればいい、それだけで打ち上げ花火をあげておしまい、そんなんは本当のプロデュースでもなんでもない。そこに、二人の共演から何を生み出すか、さらには、みんながワクワクした次に何を登場させるか、そういう持続かつ継続的な社会の欲求をエンターテイメントに注ぎ込むか、それが大事なんですよ。私たちは、特に私は、リウ・イーフェイの登場と彼女とリー・ビンビンとの対決に、まさにビンビン感じました。これをクリエイトしている現場の人たち
が真のプロデューサー。金を工面して直ぐに売り上げ云々しか言えない人物は、クリエイターとは付き合えない、でしょうね。
 いやあ、いい映画でした。エンターテイメントも新たなビジネス創造においても。かったるいながらも主人公であるマイケル・アンガラノが時を越えてリウ・イーフェイに再会する場面、これをクリエイトし、これに共感した私も含めた観客こそ、新たな期待ワクワクのマーケティング・コミュニケーションが可能であること信じてやまない、そう確信します。

posted by Buzzurl[バザール]