スピード・レーサー
いつのまにか いっしょに 歌っていた
マッハGoGoGoを知っているから、むちゃくちゃ楽しめたんだろうか。いやあ、そうじゃないと思うけど。
でも、原作を知っているから、これは言えるんだけれど、素晴らしく原作に忠実なのである。キャスティングを見れば、ジョン・グッドマン演じる父や、ポーリー・リット演じる弟のスプリトルなんか、原作を髣髴とさせる。あと、チンパンジーも。スピードの母がスーザン・サランドンで、彼女役トリクシーにクリスティーナ・リッチは原作以上に、私にとっては、うひゃうひゃもの。特にクリスティーナ・リッチが出ているシーンは、彼女ばかり観てた。主人公スピード・レーサーを演じるエミール・ハーシュには、ちょいともったいない。
失礼、少々脱線。キャラばかりが忠実ではない。ストーリーもだ。この忠実な再現は、きっと私らが原作アニメ「マッハGoGoGo」を食い入るように見てた心と同じ心が監督にあったかたではないのか。「マッハGoGoGo」への溢れる愛までも感じざるを得ない。よくここまで、あのアニメ世界をリアルな世界に引きずり出してくれたものだ、こういうことこそ、ウォシャウスキー・ブラザーズに感謝感激雨霰ではなかろうか。
おそらく、原作アニメを知らなくても、面白い人にはダントツ面白い、はずである。きっとレースシーン中は身も心も映像の中のマッハ号と一体になっているはずだ。私なんかは、あの正体不明のレーサーX(マシュー・フォックス)と手を組み、兄の命を奪った難関のクロスカントリー・ラリー「クルーシブル」に挑む中、トーゴーカーンが敵に寝込みを襲われて一時レースに参加できなくなったとき、彼の替え玉にトリクシーがレースカーに搭乗しちゃうんだけど、その時ずっとクリスティーナと一体感を味わっていたくらいだ。えっ? どういう一体感? 何が言いたいの、って? あれ、何が言いたいのだろう・・・。
それにしても、往年の吉田竜夫率いるタツノコプロの独特なるアニメ美学が、これほどまでに現実世界へパノラマに飛び出しさせてくれちゃったってことは、もう快感が五臓六腑に染み渡る満点パパである。ちっともステキな褒め言葉になってないなあ。しかし、これは、ある意味、画期的な映画でもあると思うんだけどなあ。それと、やっぱ、クリスティーナ・リッチはかわいいな。
エンドロールで、いっしょに歌っていたよ。マッハGoGo♪マッハGoGo♪マッハGoGoGo♪ 音楽も原作からの甦りだもんね。
スピード・レーサー
(2008) 【監督】アンディ・ウォシャウスキー / ラリー・ウォシャウスキー 【出演】エミール・ハーシュ / クリスティナ・リッチ / マシュー・フォックス / スーザン・サランドン / ジョン・グッドマン / キック・ガリー / ポーリー・リット / ロジャー・アラム / ピ(RAIN) / 真田広之 / リチャード・ラウンドトゥリー / スコット・ポーター / ベンノ・フユルマン / ニコラス・エリア / アリエル・ウィンター / クリスチャン・オリヴァー / モーリッツ・ブライブトロイ |
アニメの地平の向こうから、よくぞリアルな世界へここまで再現してくれはった。ウォシャウスキー・ブラザーズと、おまけにクリスティナ・リッチに、ハラショー!!!